エンジニアに必要なのは目標設定。どんな目標がいい?具体的に解説

エンジニアに必要なのは目標設定。どんな目標がいい?具体的に解説
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エンジニアの目標設定はとても大切です。目標設定を行っても、個人で日常に落とし込めなくては意味がなく、また、大切なポイントを見落としたまま目標を立てて挫折することもあるかもしれません。

本記事では効率的で完成度の高い目標設定のつくる方法を紹介します。

目標を目指して努力をすることでスキルアップにも繋がります。

目次

エンジニアに目標設定が大事?

目標設定は、「成功への道しるべ」です。モチベーションに繋がる要因ともなっています。「何となく」で過ぎる時間ほど成果に繋がらない勿体ない時間はありません。しっかり「こうなりたい」という具体的な目標を立てることで、自分の目指す目標に着実に辿り着く可能性が上がります。自分で、目標を目指さなければなりたい自分にはなれません。目標設定の重要性について2点の観点から紹介します。

目標設定の重要性

  • エンジニアが陥りがちな目標設定のパターン
  • 目標設定に必要なキャリアビジョンとスタンス

エンジニアが陥りがちな目標設定のパターン

エンジニアが陥りがちな目標設定パターンとして、「あまり目標設定が上手ではない」という傾向があるようです。エンジニアは、「現場至上主義」という考え方が徹底されているため、その枠内でしか目標を考えられなく傾向がみられます。

例えば、現在参画しているプロジェクトでの必要な知識・資格の取得、プロジェクトにおける人間関係を円滑にするよう務めるなど、プロジェクト内の目標を立てていませんか?業務上大切なことかもしれませんが、自己成長に繋げるためにはプロジェクトの先にいる将来の自分を想像することが重要です。結果、将来の自分を想像しないとモチベーションやスキルアップに繋がりにくくなってしまいます。

目標設定は、給料をもらいながら強かに自己成長を実現するための「人生成功のシナリオ」を描くことがポイントです。

目標設定に必要なキャリアビジョンとスタンス

プロジェクト内に留めないような目標設定を行うためには、「キャリアビジョン」「スタンス」を考えていくことが重要です。「3年後、5年後のなりたい自分」をイメージすることで、キャリアビジョンが見えてきます。「どのようなエンジニアになっていきたいか」という目標を設定すると、「どんなスキルを身につけていく必要があるか」など成長力に実質的な関わりを持つようになります。

また、自分がどんな姿勢で仕事・組織に向き合っていくかという点が大切です。仕事に向き合う「マインド」「人間力」は、意識しないと変えられず、モチベーションや自分の見える景色が違って見えることに気付けません。ありのままで進み続けていくということは、自分の人間力を向上させず、技術力だけで生きていくような考え方のため、努力することも難しくなってくるかもしれません。ビジョンとスタンスを見据えて目標設定を行いましょう。

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エンジニアの目標設定する方法

日頃から意識していないと、「3年後・5年後の自分」を想像することは難しいです。目標設定を行う時、自分が目指す姿などが想像しにくい時は、身近にいる「自分が目指すべき先輩」を見つけて暫定的に目標としましょう。「こんな風になれたらいい」という点から、その人のもつ技術・人柄など、どういったところに憧れたのかを書き出していくことで、自分に足りないものなども見えてきます。

以上の点を踏まえて、キャリアビジョンなどの描き方など目標設定する方法を紹介します。

目標設定する方法

  • マネジメント志向とスペシャリスト志向
  • 基本スキルと専門スキルのバランス
  • 目標となる実在のエンジニアを探そう

マネジメント志向とスペシャリスト志向

IT業界では「スペシャリスト志向」の考え方が多い傾向があります。

  • マネジメント志向:プロジェクトマネージャーなどのポジションを目指す人
  • スペシャリスト志向:専門性の高いキャリアを目指す人

王道は、プロジェクトマネージャーを目指し上流工程へ向けてキャリアアップをする「マネジメント志向」と、自分で手を動かし続けエンジニアとして現場に残るためのキャリアアップをする「スペシャリスト志向」の考え方を見据えて、自分がどちらの方が向いているか(好きか)という判断を行いましょう。

ここで注意するポイントは、どちらの志向であっても「技術力」「マネジメント能力」どちらも大切なスキルであることを忘れないことです。偏った考え方があると、現場ニーズの高い人材になれる可能性が見込めません。自分のもつスキルを洗い出しながら、特に磨く必要のあるスキルがどれか、足りないスキルは何かを探しましょう。

基本スキルと専門スキルのバランス

エンジニアのスキルは、「基本スキル」「専門スキル」の2点で整理しましょう。

  • 専門スキル:IT専門知識、技術それらに伴う関連知識・技術などテクニカルスキル全般
  • 基本スキル:対人・対課題などのビジネススキル全般

基本スキルに含まれるものとして、対「課題」の場合「計画立案」「分析洞察」「企画構想」「持続力」などが挙がります。対「人」の場合「コミュニケーション能力」「プレゼンテーション能力」「影響力」「統率力」などのエンジニアとしての技術力以外のことです。

この「基本スキル」「専門スキル」のバランスがマネジメント志向とスペシャリスト志向それぞれで必要となり、ほどよいバランスをもてると良いとされています。

理想的なバランス

  • マネジメント志向=基本スキル6:専門スキル4
  • スペシャリスト志向=基本スキル4:専門スキル6

目標となる実在のエンジニアを探そう

自分が目標となるエンジニアを探しましょう。その際、その憧れた人はマネジメント志向かスペシャリスト志向かなどは限らず「自分の理想像」となる人を探すことが大切です。こだわり過ぎると、自分の理想像となる目標のエンジニアを見つけることが大変かもしれません。理想像となる人に、自分なりの「好み」「良い点」を加えて理想像に近づけて目標としましょう。

目標となるエンジニアの「基本スキル」「専門スキル」を分解してみると、どのようなスキルや特徴をもっているのか分かります。目標のエンジニアの全てを目標に組み込まずとも、思いつく限り書き出していきながら、自分をできるだけ客観的に書き出すことも忘れずに行いましょう。そして、列挙された多数の項目から自分がエンジニアとして身につけたいものを抽出し、優先順位を付けて3~5年計画で身につけるスキルを確定させます。

この作業で、自分の状況を再確認できるので、「理想とする自分」「現在の自分」のギャップも可視化できます。自分が理想のエンジニアになっていくために欠かかせない大切な作業です。

おすすめエンジニアのTwitter

えふしん(藤川真一/@fshin2000):Twitterクライアント「モバツイ」を開発したエンジニアです。現在は、ネットショップ作成サービス「BASE」を運営するBASE株式会社CTOを務めています。

Hiroshige UMINO(海野弘成/@yaotti):プログラマのための技術情報共有サービス「Qiita(キータ)」を開発・運営するIncrements株式会社の代表取締役です。

エンジニアの目標設定の実例

具体的にエンジニアの目標設定について実例を交えて紹介します。自分のスキルのレベルなどに応じて立てる目標の内容が異なります。ロースキル・ミドルスキルのパターンに絞って目標設定の実例を紹介します。

目標設定の実例

  • ロースキルエンジニアの場合
  • ミドルスキルエンジニアの場合

ロースキルエンジニアの場合

23歳 男性 インフラエンジニア

新卒でIT企業に入社し、インフラの監視要員として1年経過。何をやれば評価が上がるのか、先輩を見ていてもよく分からない日々を過ごす。そもそも「ずっと監視でもいいや」というスタンスの人が多い。ただ、Aさんだけは目標となる人物像だった。Aさんとは根本的な性格も違うから目標とするには高いかもしれないと思っている。上司からは目標は普通でいいよ、事故なく納期を守ってミスなく、で。と言われている。

【3年後のなりたい姿】

  • 専門スキル:運用に携わり、十分な知識で改善の提案・自ら運用設計も携われる
  • 基本スキル:問題発掘に必要な視点、ケーススタディを身につける。提案書を綺麗な形で会議に出せる
  • スタンス:常に前向きで良い運用を考え、部門を超えて頼られる存在になる

【なりたい自分と現在の自分のギャップを確認】

①目標人物:先輩エンジニア 運用チーム所属

  • 専門スキル:運用経験豊富で設計もこなす。CCNA・CCNP・LPIC1&2保有。下級者の質問に答えられる。
  • 基本スキル:チーム全体のモチベーションを上げられる。相談するとなんでも解決でき、提案も顧客に通る。
  • スタンス:「やれる方法」を考え、ポジティブ。周囲から信頼されている。

②現在の自分がもつスキル

  • 専門スキル:監視要員として最低限のスキルがある。可もなく不可もない。
  • 基本スキル:社会人2年目として最低限のことしかできない。普通。
  • スタンス:ネガティブではないが特段ポジティブではなく、指示されたことは無難にやります。

③3年間で埋めるべきギャップ

  • 専門スキル:自分が担当しているシステムに関する知識だけでなく、運用レベルで一般論として通用する知識と経験。CCNA・CCNP・LPIC1&2も全部取りたい。
  • 基本スキル:問題発掘能力、ソリューションに関する知見、周囲が納得・合意するレベルの資料作成能力
  • スタンス:ポジティブである考え方をA先輩から体得する。

【半年間でやるギャップを埋めるための対策】

  1. CCNAを取得するため、学習時間を平日1時間、土日で5時間確保する
  2. 自分のチームにおける問題点について考えメモを取り週末にまとめ、月に1本は改善提案をする
  3. チームの同僚で苦手な人に役立つ資料を月1本作成する。半年で新人教育用マニュアルを作成してみる
  4. 会議に出席する時、自部門ではない部署の課題についてメモを取り、頭に叩き込む
  5. 指示された時、一度は「はい」と受け取る。誰でもやれる仕事でも手をあげ取り組む

ミドルスキルエンジニアの場合

女性 29歳 システムエンジニア

新卒で自社開発系のIT企業に入社。テストを中心にシステム改修を経験。もっと新規開発を経験したいと思う物の、自社では適正な評価が無いためスキルアップが望めない点から25歳で転職。アウトソーサー企業に転職後、開発案件に参画。現在は、Javaのプログラミングや一部基本設計を担当。今後は、更に上流工程を極め、要件定義を経験したい。将来的にはPMになりたいと考えている。会社が新しい評価制度を取り入れたもののうまくできず悩む。

【3年後のなりたい姿】

  • 専門スキル:要件定義~基本設計も対応できるJavaの上流エンジニア
  • 基本スキル:システム開発をする中でお客様に採用されるシステムの改善点をプレゼンできるようになる
  • スタンス:どんな状況でもお客様の依頼全てを気持ちよく受け入れ対応し、お客様の期待水準以上の成果物を上げる。

【なりたい自分と現在の自分のギャップを確認】

①目標人物:技術部 部長

  • 専門スキル:要件定義を担当。JavaのSEPGとして複数システム開発を経験。
  • 基本スキル:プレゼンがうまく、改善提案がほとんど採用される。
  • スタンス:成果物も仕事の姿勢もお客様から評価が高い。新卒社員を毎年受け入れるぐらい期待される。

②現在の自分がもつスキル

  • 専門スキル:プログラム、要件定義・基本設計は未経験
  • 基本スキル:改善案を提案できず、プレゼン力に自信がない
  • スタンス:成果物は問題なく、評価も普通。自分の下にメンバーがいない。

③3年間で埋めるべきギャップ

  • 専門スキル:要件定義、設計を任されるための知識を補う。上流でも任せたいと思ってもらえるように成果を出す。
  • 基本スキル:プレゼン力を身につける。皆瀬何を考えられるくらい心に余裕をもち、広い視野で仕事をする。
  • スタンス:成果物以外で評価されていないので、メンバーをつけてもらえるレベルの評価を得られるようになる。

【半年間でやるギャップを埋めるための対策】

  1. 10月開催の応用情報技術者試験を取得
  2. プレゼン力アップのため、プレゼン関連書籍を半年で9冊読む
  3. スケジュールに余裕をもたせるため生産性を上げる。Java開発力を上げる。セミナーに毎月4回参加する。
  4. お客様からの依頼で自分が対応できるものは常に対応する
  5. 次の半年で自分の下にメンバーを1名つけてもらう。教育スケジュールを作成し、お客様へ提案・採用してもらう。

もしあなたがプレゼンスキルを上げないのなら、こちらを読んでみましょう。

目標達成に向けてスキルアップを目指そう

IT業界は、技術革新のスピードがとても速く、今の技術がこの先何年通用するのか分かりません。そのため、業界のトレンドを把握した上で、自分に必要なスキルを身につけることが大切です。

プログラミング言語の需要動向を予想した記事を公開しています。気になる人はぜひ、『2021年後半から2022年のプログラミング言語の需要動向予想!【ノーコード・ローコードとAIが流行る】』もご覧ください。

IT業界のトレンドを把握する

IT業界にもトレンドがあり、新しいサービス・技術が次々と誕生しています。今後、成長が期待できる市場・新技術へアンテナを張ることで、自分がどの分野で挑戦するべきなのかが見えてきます。業界動向には常にアンテナを張っておきましょう。

セミナー・勉強会に参加する

スキルアップの方法として、セミナーや勉強会に参加することも大切です。最新情報・知識の習得だけではなく、他分野のエンジニアとの交流が取れるので、リアルなIT業界の動向を感じられるので、自分のキャリアを考えるヒントとなります。小人数で講師の方の指導の下に作業を行うハンズオン形式のイベント、参加者が特定のテーマに沿ってやりたい作業を行う「もくもく会」などが一例にあります。興味のあるイベントやセミナーなど積極的に参加しましょう。

TECH PLAY

TECH PLAY

TECH PLAYは、スキルアップできるIT勉強会・イベント情報を公開しています。キーワード・地域・日付で絞込ができます。自分が参加できる勉強会を探せます。メールでイベント情報を配信してもらえます。

Doorkeeper

Doorkeeper

Doorkeeperは、持続的なコミュニティを形成したい場合に便利なサイトです。イベント終了後にコミュニティに向けてイベント情報が紹介され、2回目以降も同じ参加者が集まる可能性が高いです。

connpass

connpass

connpassは、エンジニア同士が繋がれるIT勉強会サポートサイトです。ジャンル別に勉強会を検索できます。IT業界に関する勉強会やイベントの告知、集客、開催、アフターフォローまでしっかり行ってもらえます。

目標設定に見合ったスキル・資格を習得する

目標設定に見合ったスキル・資格を習得すること、資格取得を目指すこともエンジニアがスキルアップするために必要な方法です。保有スキルは客観的な証明でもあり、評価に繋がります。また、資格取得勉強を行っている間に、知識が深く身につくのでおすすめです。自分の設定した目標と見合った資格を選びましょう。

IT業界に携わるなら、取得しておきたい資格は基本情報技術者試験です。まだ取得していない人がいる場合、まずはここから取得をしてもよいと思います。

参考:基本情報技術者試験とは?

また、ネットワーク固有技術やサービス動向など幅広く精通する試験にネットワークスペシャリスト試験があります。ネットワークに関する知識を深めたい人は、こちらを受けましょう。

参考:ネットワークスペシャリスト試験とは

その他、ITエンジニアのおすすめ資格について『今取得しておくべきIT資格とは?エンジニア・マネージャ向け資格も紹介』にも、情報を公開しています。ぜひ参考にしてください。

インプットだけでなくアウトプットにつなげる

インプットも当然大切ですが、アウトプットをすることも欠かせません。自己研鑽に努めたかを示す手段として、GitHubのアカウント、技術ブログなどで提示すると、社内外問わず説得力がつきます。セミナーや勉強会で登壇することや技術書展に出典するなども方法のひとつです。

自分の市場価値を試したくなったら転職エージェントに登録してみよう

自分の市場価値を試したくなったら転職エージェントに登録してみましょう。おすすめのエンジニアの転職エージェントを3つ紹介します。

Kaguya

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エンジニア求人数、業界最大級のエンジニアのための転職支援サービスです。先端技術・イノベーション領域に強みのある企業が共同運営しています。非公開求人を含むエンジニアの求人が10,000件以上保有しているので自分に合う企業と巡り合えるかもしれません。

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レバテックキャリアは、プロによる抜かりない企業別対策で内定率が格段に上がります。希望する企業の選考を突破するため、キャリアアドバイザーが一人ひとりと向き合い、応募する求人に合わせた対策を行ってくれます。

Tech Stars Agent

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Tech Stars Agentでは、IT・Web・ゲーム業界のエンジニアに特化した転職エージェントです。業界経験者がコンサルタントを担当しています。志向性にあったカウンセリングを行ってくれるため、ミスマッチが少ない転職を実現してくれます。

まとめ:目標設定を行って、素晴らしいエンジニアになりましょう。

キャリアビジョンを見定めながら、自分のスキルを見直し身につけなくてはならないスキルを付けていく努力をすることで、今よりも技術力のあるエンジニアになれます。自分が叶えたい将来の夢を叶えるためにも最適なので、目標設定を行い日々努力を重ねていきましょう。

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