Webデザイナーの将来性は明るい?今後の需要と求められる人物像

Webデザイナーの将来性は? 今後の需要と求められる人物像
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インターネットやWebサービスの急速な発展に伴い、Web業界に注目が集まる中、Webデザイナーの求人が右肩上がりで増加しています。このため、多くの人がWebデザイナーを志し、Web業界を目指しています。

また、旅行業界や飲食業界など、コロナ禍で多くの業界が影響を受ける中、Web業界はコロナ禍の影響が比較的少ないとされています。

では、Webデザイナーの将来は明るいのでしょうか?

この記事では、Web業界の現在の状況を踏まえながら、今後の需要とWebデザイナーに求められる人物像を紹介します。

目次

Webデザイナーの歴史

プログラムコード

Web業界の誕生

Web業界は誕生してから2020年現在まで20数年と歴史の浅い業界です。Web誕生から現在に至るまで、Webの変遷とともにWeb業界の歴史を説明します。

世界初のWebページの誕生は、今から30年前の1990年、ティム・バーナーズ=リーによって公開されました。こちらが、世界初のWebページです。

http://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.html

当時のWebページは文字と関連ページへのリンクを貼った簡単なものです。しかし、インターネット経由で世界中に情報を発信できる、ブラウザを使って世界中から情報を閲覧できるという点で、当時のIT業界に衝撃を与えました。その後、「World Wide Web」として世界中の注目を集めることなります。

「World Wide Web」がITエンジニアを中心に普及するきっかけとなったのは、1993年に登場したグラフィカルWebブラウザ「Mosaic」の登場です。マーク・アンドリューセンが率いる開発チームが開発しました。その後、マーク・アンドリューセンはネットスケープ コミュニケーションズ社を設立します。

1995年にマイクロソフト社のOS「Windows95」の爆発的ヒットとともに、PCが一般家庭に普及。それとともにITエンジニアなどの先進的ユーザを中心に、ネットスケープ コミュニケーションズ社のWebブラウザ「NeScape Navigator」をダウンロードし、世界中のWebページを参照して情報を取得するようになりました。また、1995年にYahoo!が誕生。ジャンル別にWebページを検索できるようになり、Webページ閲覧増加のきっかけとなりました。これに呼応するように、企業もWebページを作成し、インターネットに公開するようになりました。Web業界の誕生はこの頃です。

転機となったのは、1998年。それは、「Windows98」と「Google」の登場です。

Windows98の登場により、Webブラウザ「Internet Explorer」があらかじめOSについてきたため、インターネットの利用が家庭にも浸透していきます。同じ年には、Googleが設立されています。以降、Googleを使用したキーワード検索が一気に普及します。また、Amazonなどの企業が株式市場で注目を集め、ドットコムバブルが起こりました。これにより、Web業界は一気に活況となり、様々なサービスが登場しました。

21世紀に入るとSNSが普及します。2004年にはmixiがスタート、2006年にはTwitterがスタート、2008年にはfacebookが日本でスタートします。

また、2007年にはiPhoneが販売され、以降、スマホでも様々なアプリケーションが開発・提供されています。iPhoneの登場により、指で端末を操作するユーザーインターフェースが一般的となりました。

このように、Web業界は20数年間という短い歴史にも関わらず、様々なプラットフォームの登場とともに激しく変化している業界です。

Web業界の現状

では、Web業界の現状はどのようになっているのでしょうか?

経済産業省が2018年に発表したレポート「経済産業省「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、以下の通りとなっています。

2017 年 2018 年 伸び率
A. 物販系分野 8 兆 6,008 億円(EC 化率 5.79%) 9 兆 2,992 億円(EC 化率6.22%) 8.12%
B. サービス系分野 5 兆 9,568 億円 6 兆 6,471 億円 11.59%
C. デジタル系分野 1 兆 9,478 億円 2 兆 382 億円 4.64%
総計 16 兆 5,054 億円 17 兆 9,845 億円 8.96%
電子商取引の規模

(経済産業省「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より)

2018年に記録した17 兆 9,845 億円という金額は、2018年の日本のGPD(国内総生産額)の約3.6%に当たります。このことからも、Web業界が日本国内における大きな産業となっていることが分かります。

Webデザイナーの将来性や今後の業界需要

働いている男性

Webデザイナーの将来性

では、Webデザイナーの将来性はどのようになるのでしょうか?

今後はWebデザイナーの仕事のバリエーションが増えていくものと予想されます。ただ、単にWebデザインができるだけのWebデザイナーは注意が必要です。

DODAの求人情報を見ると、企画立案経験、フロントエンドの制作経験、クライアントへの提案・ディスカッション経験、サーバサイド・インフラの技術知識、各種プログラム言語の知識など、幅広い知識や経験をWebデザイナーに求めている企業が増えています。

また、「NoCode」と呼ばれるサービスの普及に伴い、Webサイトの制作知識を持っていない人でも簡単にWebサイトの制作ができるようになってきています。これはWebデザイナーにとっては脅威に感じるかもしれません。

このため、Webデザインの知識や経験以外の領域にも目を向け、スキルを獲得する必要があります。

今後の業界需要

親指を立てている女性

今後のWeb業界におけるWebデザイナーの需要はどのようになるのでしょうか?

Web業界の需要は、今後も拡大するものと予想されています。

先ほど紹介した経済産業省「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」を見ると、2017年から2018年の電子商取引の総額は、8.96%の伸び率となっています。このことからも、Web業界は成長途上の業界であると言えます。

また、コロナ禍での巣ごもり需要の高まりにより、ネットショッピングを利用した消費が拡大しています。総務省が2020年7月に発表した「家計消費状況調査(2020年5月分)」によると、ネットショッピング利用世帯の割合が50.5%と、初めて5割を超えています

これは、新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が発令されたことから、ネットショッピングの利用が拡大しました。この記事を執筆している現在も新型コロナウイルス感染の収束が見えないこと、今後も巣ごもり需要の増加が見込めることから、Web業界の需要は今後も拡大すると予想されます。

今後求められるwebデザイナーの人物像

足を組んでいる男性

UI/UXの設計・実装ができる人物

今後求められるWebデザイナーの人物像の1つめは、「UI/UXの設計・実装ができる人物」です。

現在は類似のサービスが多く登場しているのが現状です。このため、多くの企業はWebサイトの見た目や使いやすさを改善することで差別化を図り、多くのユーザを獲得しようと考えています

このため、Webサイトの見た目や使いやすさの改善に向けて、UI/UXの設計ができるWebデザイナーに将来性があると言えます。

DODAの「転職市場予測2020上半期 クリエイティブ」では、UI/UXデザイナーの需要が高まると述べています。サービスのWeb化、アプリ化が進めるにあたり、UI/UXの改善に取り組む企業が増えると考えているからです。

実際、DODAの求人情報を見ると、「UX/UI設計・実装経験」を歓迎スキルとしている企業が多く掲載されています。これらのことからも、企業は「UI/UXの設計・実装ができる人物」を求めていることが分かります。

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Webマーケティング知識を持つ人物

今後求められるWebデザイナーの人物像の2つめは、「Webマーケティング知識を持つ人物」です。

先に述べた総務省発表の「家庭消費状況調査」のデータに現れているように、コロナ禍による「巣ごもり需要」の高まりで、今後もネットショッピングを利用した消費が拡大が予想されています。

また、先に紹介したDODAの「転職市場予測2020上半期 クリエイティブ」でも「ECサイト」がキーワードとなっています。

ECサイトの成否は、「コンバージョン率を高め、売上アップできるかどうか」にかかっています。コンバージョン率を高めるためには、ユーザの行動を把握し、導線の設計に生かす必要があります。その基礎となるのが「Webマーケティングの知識」です。

このため、Webマーケティングの知識を持つとともに、それを生かしてWebデザインに反映できるWebデザイナーとなることが必要です。

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プログラミング言語知識を持つ人物

今後求められるWebデザイナーの人物像の3つめは、「JavaScriptなど、プログラミング言語知識を持つ人物」です。

Webサービスの構築の際、フロントエンドエンジニアとのコミュニケーションが発生します。JavaScriptなど、フロントエンドを実装するプログラミング言語の知識があれば、フロントエンドエンジニアとのコミュニケーションもスムーズに進むからです。

「ユーザがお会計ボタンをクリックしたら、サーバーサイドに連携して会計処理を行う」など、フロントエンドのアクションの実装にはJavaScriptが用いられることが一般的です。

なお、Webデザインの変更がアクションの設計や実装にも影響を及ぼすなど、Webデザインとアクションの設計や実装は密接に関わっています。特に大規模なWebサービスになればなるほど、Webデザインは、アクションの設計や実装に大きな影響を及ぼすようになります。

これらのことから、フロントエンドの構築では、Webデザイナーとフロントエンドエンジニアのコミュニケーションがプロジェクトを進める上での大きなカギとなっています。そのため、WebデザイナーがJavaScriptなどのプログラミング言語の知識を持っていた方が仕事を獲得しやすくなります。

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Webデザイナーとしてキャリアアップを図るために踏むべき経験

経験と書かれた黒板

UI/UX体験

企業はUI/UXで差別化を図るために、UI/UXの設計スキルを持つWebデザイナーを求めています。

では、UI/UXの設計スキルを身につけるためにはどうすればよいでしょうか?それは、「自らがユーザとなり、自分でUIやUXを体験してみること」です。自らの体験に勝る知識はありません。

まずは、自分が気になったWebサービスのユーザになり、利用してみましょう。そして、UIやUXで気づいた点をメモにまとめ、自分の意見やコメントを記載しましょう。

これにより、ユーザ視点にたった物事を考える力、情報収集力、分析力、情報を整理する力を身につけることができます。そして、これらの力はUI/UXの設計だけではなく、Webサイトの企画立案にも生かすことができるようになります。

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Webサイトの運用や改善経験

Webデザイナーとしてキャリアアップを測るために踏むべき経験の2つめは「Webサイトの運用や改善経験」です。

Webサイトは「作って終わり」ではありません。Web解析を行いながらユーザの行動を把握し、SEO対策を行い、PDCAを回しながらWebサイトを改善しながら運用することが必要となります。

一方で、Webサイトの運用を通じてWeb解析やSEO対策を行うことで、Webマーケティングの知識を身につけることができます。また、Web解析で得られたデータにより、ユーザの行動を把握することができます。

Webサイトの運用や改善経験を積むためのおすすめの方法は、「WordPressを用いて自分のブログを運営してみること」です。

さくらインターネットなどのレンタルサーバを利用すれば、月額数百円から数千円で借りることができます。WordPressのインストールも簡単にできます。また、Googleアナリティクスを立ち上げたブログに設定することでWeb解析も行うことができます。ブログを書き、Googleアナリティクスを使ってWeb解析を行いながら運用を回すことで、ユーザの行動に対する気づきやコンバージョン率を高める方法を実践を通じて学ぶことができます。

プログラミング経験

Webデザイナーとしてキャリアアップを測るために踏むべき経験の3つめは「プログラミング経験」です。

先にも述べたように、JavaScriptなどのプログラミング言語に対する知識が持つことで、フロントエンドエンジニアとのコミュニケーションをスムーズに進めることができるようになります。

とはいえ、実際にプログラミングを行わないと、プログラミングスキルは身につきません。そこで利用したいのが、Progateなどのプログラミング学習サイトを利用したプログラミング学習です。

Progateは、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を、実際にコーディングを行いながら学ぶことができるWebサービスです。無料サービスでは各プログラミング言語の初級編の学習が、月額980円の有料会員になると実践レベルのプログラミング学習ができます。

また、他にもUdemyなどのプログラミング学習サービスがあるので、これらを利用してプログラミングを学習していきましょう。

プロに教えてもらいたい方はなどのプログラミングスクールに通うのもいいでしょう。

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Webデザイナーのまとめ

人差し指を立てている女性

この記事では、Web業界の現在の状況を踏まえながら、今後の需要とWebデザイナーに求められる人物像を紹介しました。

経済産業省が発表した「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」を見ると、Web業界の市場規模は、GDPの約3.6%に相当し、高い伸び率を誇っています。また、コロナ禍の巣ごもり需要により、今後も需要の拡大が見込まれます。

一方で、企業の求人状況を見ると、Webデザイン以外のスキルも求めています。また、Webデザイナーの増加による競争激化や「NoCode」サービスの登場により、Webデザイナーが今後も仕事を獲得していくためには、プログラミングやマーケティングなど、Webデザイン以外のスキルを身につける必要があります。

将来のビジョンを見定めながら、さまざまなスキルを身につけ、Webデザイナーとしてのキャリアアップを図っていきましょう。

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