IT業界は常に激しい変化の波にさらされています。特にIT技術分野では常に新しいトレンドが生まれるなど、日々技術の進化を遂げています。このため、トレンドとなっている新しい技術、特にプログラミング言語を修得することで、フリーランスエンジニアにとっては年収を大きく伸ばすことも可能となっています。
今回はフリーランスにとって、気になる年収をプログラミング言語別で解説します。
プログラミング言語別 年収ランキング
まずは求人検索エンジン「スタンバイ」に掲載されている最新版プログラミング言語別年収ランキングを紹介します。
求人検索エンジン「スタンバイ」は、株式会社スタンバイが運営する日本最大級の求人検索サイトです。なお、株式会社スタンバイは、ヤフー株式会社を傘下に持つZホールディングスと「ビズリーチ」を運営する株式会社ビズリーチの合弁会社です。
このため、エンジニアにとっては、プログラミング別年収ランキングは気になる情報ではないでしょうか?
早速プログラミング別年収ランキングを見ていきましょう。
順位 | 言語 | 年収中央値 (万円) | 最大提示年収 (万円) | 求人数 (件) |
1 | Go | 600 | 1,600 | 2,202 |
2 | Scala | 600 | 1,300 | 1,489 |
3 | Python | 575.1 | 1,499 | 9,344 |
4 | Kotlin | 575 | 1,499 | 9,344 |
5 | TypeScript | 575 | 1,200 | 667 |
6 | R | 574.8 | 1,000 | 220 |
7 | Ruby | 550 | 1,200 | 11,676 |
8 | Swift | 550 | 1,200 | 3,353 |
9 | Perl | 525 | 1,200 | 4,509 |
10 | C | 525 | 1,000 | 9,347 |
第1位は「Go」です。
「Go」はGoogleがプログラマの生産性向上を目的として2009年にリリースされたオープンソースのプログラミング言語です。有名な事例としては、Dropboxに採用されています。
その特徴は、シンプルなソースコードのために動作が軽量で、並列処理など複雑なシステム開発に向いた言語となっています。ただ、JavaやC++のようなオブジェクト指向言語のようにクラスや継承という概念がありません。このため、Javaなどのオブジェクト指向言語に慣れ親しんだエンジニアにとっては戸惑うかもしれません。
プログラミング言語別年収ランキングで第1位となったGoは、近年、GoはPaaSやWebサービスの開発で用いられるようになっています。それに伴い、Goの開発エンジニアやプログラマの求人案件が増えてきています。
その一方で、Goは比較的新しい言語のためにエンジニアの数も少ないのが現状です。このため、単価がJavaやPHPなどに比べると単価が高い傾向にあり、プログラミング言語別年収ランキングでは1位となっています。
第3位にはPythonが入りました。
Pythonの最大の特徴は「シンプル」ということです。それは、「プログラマが覚えなければならない構文が他の言語に比べて少なくて済む」という点にも表れています。また、「多くの処理を1行で記述することが可能」という特徴もあります。このため、初心者でもハードルが低く、取り組みやすい言語です。
Instagramの開発言語として知られるPythonは、近年、特に注目を集めているプログラミング言語の1つです。Pythonが注目を集めている理由は、AI、特にディープラーニングの開発の多くがPythonで開発されており、AI関連の案件をはじめとしたWebサーバー開発での案件が増えているからです。こちらもGoと同じように求人数に対して技術者が不足していることから単価が高い傾向にあります。
このプログラミング言語別ランキングを見ると、案件数で上位となっているJava、PHP、JavaScriptが入っていません。これはどういうことでしょうか?
Java、PHPについては近年相場が低下しています。案件も保守案件が多くなっており、また、エンジニアの数も多いため、案件獲得競争が激しくなっているためです。また、JavaScriptについてはフロントエンドの開発が活発ですが、こちらもエンジニアの数が多く、経験年数によって幅があるのが現状です。業務・業界やUI・UXの知見があるエンジニアであれば高い単価で受注できますが、キャリアが浅いエンジニアの場合は低い単価となってしまいます。これらの動向が年収に影響しているものと思われます。
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フリーランスエンジニアを目指すメリット
より主体的に案件を選び、開発に取り組みたいのであれば、フリーランスエンジニアを目指すのも1つの方法です。フリーランスエンジニアとは、企業に所属しない、個人契約で案件を受注し、開発に携わるエンジニアです。ここでは、フリーランスエンジニアを目指すメリットについて紹介します。
働く時間や場所の制限がない
フリーランスエンジニアの1つ目のメリットは「働く時間や場所に制限がない」という点です。
フリーランスエンジニアの案件には大きく分けて「在宅型」と「常駐型」があります。「在宅型」の案件は、納期に間に合えば働く場所も時間も自由というものがほとんどです。このため、通勤時間もなく仕事をすることができます。このため、過度なストレスを感じることなく働くことができます。
場所を選ばない働き方ができるということは、日本国内や海外の旅先でも働くことができるということです。例えば、家族と一緒に旅行に出かけた際、家族と団欒の時間と働く時間を区分けしながら働くこともできます。
単価や内容で仕事が選べる
フリーランスエンジニアの2つ目のメリットは「単価や内容で仕事が選べる」という点です。
フリーランスエンジニアの場合は、契約を企業やエージェントと案件契約を結ぶため、企業やエージェントから紹介された案件の中から仕事の内容や単価を選ぶことができます。
会社員として働いている場合、不得意な分野の仕事や気が進まない案件であったとしても、会社の命令に従って案件に従事しなければなりません。また、たとえ単価が高い案件に従事したとしても、昇給しない限り、収入が増えることはありません。
しかしフリーランスの場合は、企業やエージェントと直接契約結んでいるため、基本的には契約単価からエージェントへ支払う報酬を引けば、そのまま収入となります。このため、多くが会社員時代に比べて収入が高くなる傾向にあります。
複数の言語スキルを身につけることで長期的に年収アップ
フリーランスエンジニアの場合、スキルアップが年収アップにつながります。特に複数の言語スキルを身につけているエンジニアの場合、高い単価で案件を獲得することができます。
フリーランスエンジニアのシステム開発案件の場合、難易度や知識や経験に応じて報酬が支払われることが一般的です。そのスキルを見る指標の一つが、開発経験のあるプログラミング言語の数と開発経験年数です。当然、多くのプログラミング言語による開発経験が長い方が、スキルが高いと見なされます。
Webアプリケーションシステム開発の場合、フロントエンドとサーバーサイドではプログラミング言語が違うということがよくあります。とはいえ、システムエンジニアには、フロントエンド、サーバーサイドのそれぞれを開発対象のシステムとして俯瞰的に見る必要があります。このため、複数のプログラミング言語のスキルを持ったエンジニアの方が、企業側も依頼しやすいのです。
フリーランスエンジニアに将来性がある理由
フリーランスエンジニアには活躍の場が広がっており、将来性があると言えます。その理由は2つあります。
情報技術の発展が今後も加速し需要が高まる
1つ目の理由は「情報技術の発展により、今後もエンジニアの需要が加速する」と予想されているからです。
IT市場は年々拡大し、技術の進歩は年々進んでいます。また、企業は今後もシステム開発には意欲的です。このため、エンジニアが活躍する場は、拡大の傾向にあります。
具体的には、DX(デジタルトランスフォーメーション)、AI、ビッグデータの活用など、今後はこれらのキーワードにまつわるシステム開発が進むと見られています。当然、これらのシステム開発を進めるためにはエンジニアが必要です。これらの開発が追い風となり、エンジニアの需要が加速すると思われます。
社会全体が生産性を高める働き方にシフト
2つ目の理由は「社会全体が生産性を高める働き方にシフト」しているからです。
日本では長年、長時間労働が問題となっていました。また、労働人口の減少により、生産性低下が懸念されています。これらの問題を解消するために、政府主導で「働き方改革」を進めています。
そして、「働き方改革」の鍵を握っているのがフリーランスと言われています。なぜなら、高齢者や育児中の人など、スキルはあれど職に就いていない人が働きやすくなるからです。
具体的な例として2018年に行われた「税制改革」があります。この税制改革により、青色申告が条件で、合計所得が2,400万円以下の人の基礎控除額が38万円から48万円に引き上げられました。このような政府の動きにより、フリーランスが働きやすい環境を整えることで、労働人口減少に歯止めをかけようとしています。
フリーランスエンジニアとして年収を上げるために身に付けたいスキル
では、フリーランスエンジニアとして継続的に案件を獲得し、年収を上げるためにはどうすればよろしいでしょうか?
営業スキル
1つ目は「営業スキル」です。
いくら素晴らしいプログラミングスキルを持っていたとしても、それをアピールする力がなければ案件獲得にはつながりません。フリーランスエンジニアが案件を獲得するためには、自らを売り込む「営業力」が必要です。
フリーランスの案件獲得の最初のステップは、営業メールやスキルシートを相手企業に送ることです。これらの過程でスムーズに営業を行うためには、「得意分野」の整理など、的確に伝えるための準備が大切です。
交渉スキル
2つ目は「交渉スキル」です。
いくら案件を獲得したとしても、低い単価では年収アップにはつながりません。年収アップにつなげるためには、条件交渉を行うための「交渉力」が必要です。
自分を案件に参画させることで相手が得られるメリットを伝えるなど、交渉の仕方を工夫することで、スムーズに希望を反映させることが可能となります。高単価の案件を獲得するためにも交渉の工夫の仕方をメモに残しておくなど、交渉力を磨いていきましょう。
日々自己研鑽する継続力
3つ目は「日々自己研鑽する継続力」です。
ITの世界は技術変化の激しい世界です。日々の技術の進歩に伴い、新しい技術がトレンドとして注目を浴びることも珍しくありません。そして、需要に対して供給が少ない技術こそ、高単価での案件獲得につながります。
そのためには、常にIT分野のトレンドに目を向け、普段から新しい技術を勉強し、スキルを獲得する「自己研鑽力」が必要となります。継続的に自己研鑽を行うことで、目の前に現れたチャンス掴むことができます。
プログラミング言語別年収ランキングでも書いた通り、1位となった「Go」は、2016年頃から注目を集め、需要が高まっているプログラミング言語です。それは、各種調査でも伺い知ることができます。
日々、プログラミング言語やIT業界のトレンドにアンテナを張ることで、次のトレンドのキャッチにつながります。IT技術の動向に目を向け、新しい技術を身につけることで年収アップにつなげていきましょう。
フリーランスエンジニアの案件の探し方
ここでは、フリーランスエンジニアの案件の探し方を紹介します。
知人からの紹介
1つ目に紹介する案件の探し方は、「知人に紹介してもらう」です。
近年はSNS全盛時代です。SNSでつながりを持った知人の中には経営者も多いと思います。また、同じ業界の会合やイベントなどで知り合いになり、SNSでつながる機会も多いはずです。その中には会社でマネージャーに就いているなど、決済権を持つ人もいるはずです。これらの知人に自分をアピールして案件を紹介してもらいましょう。
クラウドソーシングを活用
2つ目に紹介する案件の探し方は、「クラウドソーシングを活用する」です。
クラウドソーシングとは、案件を依頼したい企業や個人と案件を獲得したい個人のマッチングを行うサイトです。
有名なクラウドソーシングサイトに、「ランサーズ」と「クラウドワークス 」があります。
「ランサーズ」は2008年創業の日本最大級のクラウドソーシングサイトです。システム開発はもちろん、ライティング、Webデザインなど、豊富な案件数を誇っています。また、サポート機能が充実しているのが特徴です。
「クラウドワークス 」は2011年創業の大手クラウドソーシングサイトです。案件の種類は200種類以上あり、未経験者向けから専門性の高い案件まで、豊富な案件数を誇っています。
どちらも登録者数が多く、企業の利用も多いサイトなので、初心者のフリーランスエンジニアにも安心して利用できます。
エージェントの活用も
3つ目に紹介する案件の探し方は、「エージェントの活用」です。
エージェントとは、案件の紹介、企業との契約締結、代金の請求など、フリーランスエンジニアの代わりにこれらの業務代行を行う会社のことです。フリーランスエンジニア向けの代表的なエージェントに「レバテックフリーランス」や「ITプロパートナーズ」などがあります。
エージェントを活用するメリットは「仕事の選択肢が増える」という点です。個人ではなかなか見つけることが難しい高単価の案件も、エージェント経由であれば巡り合うことが可能です。また、キャリアプランの相談やスキルシートの添削など、個人ではなかなか気づきづらい点もアドバイスがもらえるメリットがあります。
関連記事:【プログラミング言語別】フリーランスエンジニアが案件を獲得する方法
フリーランスエンジニアを目指すならプログラミングスクールの活用も
フリーランスエンジニアを目指すなら、プログラミングスクールの活用が近道です。特に「テックキャンプ(TECH CAMP)」はフリーランス向けの支援に力を入れているプログラミングスクールで、卒業後にフリーランスとして活躍するエンジニアを多数輩出する実績を誇っています。
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フリーランスエンジニアを目指すことを考えているのであれば、プログラミングスクールの活用を検討してみましょう。