ITエンジニアは、徹夜などをして激務な仕事というイメージが強くあるのではないでしょうか。
ITエンジニアが激務と言われてしまう理由について解説していきます。
ITエンジニアは激務なためにブラックな印象もあるかもしれませんが、昨今ではホワイトが多めになってきました。
実際のところはどうなのか解説します。
ITエンジニアの業務は激務?
ITエンジニアは、本当に激務な仕事なのでしょうか。ここでは、ITエンジニアの勤務体系や勤務時間など、ITエンジニアの仕事について簡単に振り返ってみましょう。
ITエンジニアの勤務体系
ITエンジニアの勤務体系は、企業の雇用条件によって異なります。他の業種、業界と同様にタイムカードで管理する場合が多く、でも、企業によってはフレックス勤務・時短勤務などの導入が増えています。また、フレックス勤務である場合「コアタイム」という特定された時間帯は必ず勤務する前提の勤務体系があります。この時間以外は自由に決められます。
ITエンジニアの勤務時間
企業や所属しているプロジェクトによって、勤務時間が異なります。実働8時間に休憩1時間というオーソドックスなシフトがあります。フレックス制が導入され、昼前~夕方までの4~6時間のコアタイム設定なども多くあります。業務内容によって、勤務時間なども異なります。
ITエンジニアに休日はない?
ITエンジニアは、休日が少ないとも言われています。原則的には、労働基準法に則って休日を取らなくてはいけなくなっています。土日祝日など、一般企業と変わらない休日設定です。また、ITエンジニアが激務と思われてしまう点に、休日が少ない他、残業が多いという印象があるためです。場合によっては、深夜勤務というシフトもあります。時々の休日出勤が有り得ることを憶えておきましょう。
ITエンジニアが激務と言われる理由
現在は、ITエンジニアを務めていても、残業・深夜勤務・休日出勤などは、テクノロジーの進歩・働き方改革などの観点から、軽減されている傾向があります。ここでは、ITエンジニアが激務と言われる理由について以下のポイントから解説していきます。
激務と言われる理由
- 残業時間
- 休日出勤
- 勉強しなくてはならない
- 仕事量の多さ
- ルールが細かい
理由①:残業時間
ITエンジニアが一般企業よりも激務とされる理由は「残業」が考えられます。その残業も、規定時間を大幅に超える残業が発生しやすいため、激務であると言われます。業務には、「納期」が設定され、決められた期日までにひとつのプロジェクトを終わらせなくてなりません。納期に間に合わせるための残業をしなくてはならないことがあります。
平均的な残業時間は、月80~90時間であるとされています。つまり、1日平均4時間程度の残業時間ということになります。
理由②:休日出勤
ITエンジニアは「休日出勤」をすることがあり、その点も激務であると言われる理由と考えられます。休日出勤はマストではなく、また、休日出勤が少ない仕事もあります。システム開発などは、納期なども含めタイトになりがちで、納期間近になると休日返上で勤務にあたることも想定されます。
理由③:勉強しなくてはならない
ITエンジニアは、常に最新の情報を集め使いこなせるよう勉強したり、士気を高めておいたりしなくてはならない点も、激務と思われる理由であると考えられます。仕事に通用スキルを常日頃勉強したり、情報収集のためアンテナを張っておいたりしなくてはいけません。IT技術は日々進化し続け、技術のキャッチアップを続ける必要があります。
ITエンジニアは、平均1時間程度の勉強を日々繰り返すことが大切とも言われます。
理由④:仕事量の多さ
ITエンジニアは、業務内容の流れ・工程が膨大で時間がかかります。プロジェクトで動くことも多く、複数人で携わります。細かく作業の分担がされ、様々な業務に携わることがあります。
主な仕事の流れ
- 打ち合わせ
- コーディング
- 動作テスト
- マニュアル作成(書類作成)
簡単にそれぞれの仕事内容について解説します。
打ち合わせ
プロジェクトに関わるチーム全体での共通認識・担当する業務への理解をしてもらうためにも打ち合わせは大切です。
プロジェクトの規模が大きくなるほど、事前の打ち合わせが特に大切で、うまく進行できなくなってしまう恐れもあります。この打ち合わせで、不明点などの解決をしておくことが大切です。
コーディング
クライアントの希望に沿ったプログラムを完成させるための下地作りを行います。
一定のルールに従ってコーディングを行います。C言語、Java、Rubyなど多くのプログラム言語を用いてソフトを作成します。
動作テスト
プログラムのコーディングを済ませると、システムが正常に動くかどうかテストを行います。動作テストは、とても重要な業務です。コーディングよりも時間を長く掛けることがあります。
システムが正しく動かすためには、間違った答えを導かないことが重要です。不具合などが起きてしまうと納品できないため、正しいシステムを作り上げることが重要となります。
マニュアル作成、書類作成
書類世臭い、システム稼働についてのマニュアル作成などを行います。日常の中で稼働させるために、プログラムスキルがない人でも安心して使えるようにするためにも、マニュアルや概略などの書類が必要です。
その他、
- 進捗状況に応じた報告書
- テスト実施に関する説明書
以上のような書類を作成することもあります。
理由⑤:ルールが細かい
ルールや決め事が細かいために激務になってしまうことがあるようです。作業工程上、独自のルールによって設定された権限、承認・採決してもらう過程が長くなってしまうことがあります。
勤労規定などは自由なところが多くありますが、仕事上のミス・障害を起こしシステム不良が引き起こされては問題です。結果、しっかりルールに則って確認をするので、過程が長くなってしまう傾向があります。
ITエンジニアの良いところ
ITエンジニアは、業務が激務であると言われてしまう理由がわかったところで、ここからはITエンジニアになると良いポイントを紹介します。
転職しやすい
ITエンジニアは、「技術職」のため、一生この仕事をし続けられる点がメリットです。ITスキルを身につければ、将来の選択肢が広がります。キャリアパスを描きやすい利点によって、自分が将来どのようなエンジニアになりたいかを考えやすい職種です。
エンジニアのキャリアパスについては、以下参考資料をご覧ください。
給料がいい
ITエンジニアは、一般的な企業と比べて比較的に高い傾向があります。(参考:求人ボックス)それだけ、労力を費やす職業であり、一言で言えば「大変」な業務と考えられるかもしれません。スキル向上のため勉強を日々行う中でセミナーへの参加やスクールに通うなどの「自分への投資」を行うことで、成果を出した結果コストパフォーマンスが高くなります。
合わせて、『エンジニアが給料を上げる方法を真面目に検討してみた』でも年収について紹介しています。参考にしてください。
働き方が多様で独立しやすい
ITエンジニアは、フリーランスとして働くなどのメリットがあります。企業で勤め、学び続ける中で身につけたスキルをフリーランスで発揮することで、年収面もプラスに繋がるかもしれないので、自分の実力を試すためにもフリーランスを目指すこともおすすめです。
合わせてこちらもご覧ください。
IT業界はやめたほうが良い?
IT業界は辞めておいた方がいいと言う人も中にはいるかもしれません。その理由は、ブラック企業に入社した人がそう言う傾向にあります。残業や休日出勤が慢性化していると「やめといた方がいい」と言うことになるのも無理はないでしょう。その他、辞めた方がいいという方の意見などを含めて解説します。
また、『IT業界はやめとけって本当なの?働くメリットと転職のコツを紹介』でも、紹介しているので合わせて参考にしてください。
「やめた方がいい」はブラック企業に入社したから
実際にブラック企業に入社した人は、休日出勤や残業が慢性化している状況だった可能性があります。IT業界全体が、ブラック企業のような働き方をしているわけでもなく、中にはホワイト企業も存在しています。良くも悪くも、経験した結果から「やめておけ」と釘をさしたくなるのは優しさかもしれません。
働き方が柔軟な側面
先述しましたが、IT業界は柔軟性が高く様々な働き方が可能となります。働き方改革が施されている傾向もあり、リモートワークなども幅広く浸透しています。
フルリモートワーカーが多くいるIT業界は、自宅で仕事ができることも柔軟性が高いと言える点なので、自分の働きたい形を実現しやすい点はメリットです。
ホワイト企業も存在する
ホワイト企業総合研究所が「2021年卒版 一流ホワイト企業ランキング」というものを発表し、上位にランクインしている企業の中にはIT業界の企業があります。(参考:2021年卒版 一流ホワイト企業ランキング)このランキングでは、以下点を総合的に選定した結果とされています。
選定ポイント
- 働きやすさ
- 残業時間・有給休暇取得率
- 給与・福利厚生
- 成長環境
- 財務指標
トップ100の中でランキングが最も高いIT企業は「グーグル合同会社」となっています。IT企業の中にも、働きやすい制度がを積極的に導入し、ワークライフバランス実現を行う結果、ホワイト企業として認めてもらっている企業が多数あるので、一概にブラック企業ばかりということではありません。
「やめとけ」と言われる企業に就職・転職しないためのポイント
「やめとけ」と言われるようなIT企業に就職・転職しないようにするためには、どのような点に気を付けたらいいのでしょうか。次の2点から解説していきます。
どう働きたいかを明確にする
IT業界で、自分がどう働きたいかを明確にすることが大切です。「IT業界で働く」と言っても、「アプリ開発をしたい」のか、「大規模システム開発に携わりたい」のか、職種によって自分のしたいことが変わってきます。自分がどういった職業をしたいのかを明確にすることで「やめといた方が良い」と言われる企業を選びにくくなります。
クチコミサイトをチェックする
OpenWorkでは、企業のクチコミサイトです。会社名などからクチコミ、年収などがわかります。
IT業界の中で目指したい職種をはっきりさせたら、具体的に「働きたい」と思える企業があるか探してみましょう。求人情報だけでは、ブラック企業かどうかわかりません。クチコミサイトなどを活用してブラック企業かどうか、自分に合う企業かを検討する材料にしましょう。
ITエンジニアが激務で辛い時は環境を変えよう
自分の企業は、他企業と比べて激務だから「辛い」と思うのであれば、転職という方法で働き方・働く場所を変えてみるのもおすすめです。
ここでは、おすすめの転職エージェントを紹介します。
IT求人ナビ転職
IT求人ナビは、エンジニア「超」第一主義の転職エージェントです。エンジニアとして働く方を最大限サポートします。新しいキャリアパスの発見なども、スキルカウンセラーに相談すると新しい道を見つけ出せる可能性があります。
アクシスコンサルティング
アクシスコンサルティングは、IT人材のキャリア支援をしています。アクシスの求人は、77%非公開求人です。キャリアチェンジを検討している人への支援もしています。平均サポート期間は3年とされています。
レバテックキャリア
レバテックキャリアは、自宅から簡単に電話やオンラインでのカウンセリングを行っている転職エージェントです。初回提案内率は、90%という高い結果を出しています。今より高いレベルのITエンジニアを目指している人におすすめです。
まとめ:ITエンジニアは激務ではなくなってきている
現在のITエンジニアは、ひと昔前までは徹夜や残業なども当たり前だった環境から変わり、そこまで激務な環境ではなくなりつつあります。
ITエンジニアという職業が好きで、職場が適していれば激務だと感じない可能性があります。
まずは、自分の置かれた環境を判断し、もし激務だと感じているのであれば転職なども視野に入れてみましょう。