Python(パイソン)は、人工知能などにも用いられているプログラミング言語ですが、独学で学ぶことは難しいのでしょうか。今回は、Pythonを独学で学ぶためのロードマップを紹介していきます。自分に見合う勉強方法でPythonを学習していきましょう。
Pythonとは

Pythonは、注目のある人気言語です。シンプルで汎用性が高く、人工知能などにも使われるプログラミング言語のため、機械学習やWebアプリ開発などに用いられています。「Amoeba」という分散オペレーティングシステムを管理するために開発したのがPythonの生まれたきっかけです。
詳しくはPythonとは?の記事を確認してみてください。

Pythonの特徴
Pythonは、オープンソースで運営されているプログラミング言語です。Pythonの特徴は、次の4点が挙げられます。
- シンプルな構文
- 1行で多くの処理をする記述が可能
- 標準ライブラリとして、言語に多くの機能がある
- 幅広い用途で使える外部ライブラリが存在している
Pythonの誕生した理由に、『コードを書きやすく、読みやすくするため』なので、誰が書いても同じようなコードになります。そのため、開発途中で引き継ぐ必要が出ても、引き継ぎしやすい点も魅力的です。
Pythonのメリット
Pythonのメリットについて紹介します。
メリット①:文法が覚えやすい
Pythonは、コードの記述がとてもシンプルなプログラミング言語です。画面に「Hello,World」を表示する処理を行った時、次のようなコードで表記できます。
Java
public class HelloWorld{
public static void main(String[] args){
System.out.println("Hello, World!");
}
}
Python
print("Hello, World!")
少ないコードで簡潔にプログラミングが行えるので、効率的に開発が行えます。Pythonは、「シンプル」であることを重要視しています。プログラマーが覚える構文規則を少なくし、入門者でもハードルが低い点が魅力的です。
また、覚える文法が必要最低限に留まるので、他のエンジニアが書いたコードを読みながら勉強できます。文法が覚えやすく勉強しやすい点は魅力的です。
メリット②:読みやすい・書きやすい
Pythonは、読みやすく・書きやすいコーディングができます。そのため、初心者でも学びやすい言語で、勉強しやすい点が魅力的です。コードのシンプルさが、多くのエンジニアに支持される理由であるとも考えられます。
Pythonでは、「オフサイドルール」初稿という規則があります。オフサイドルール初稿では、行頭をインデントし、文の塊を指定してコーディングしていく規則です。インデントは、字下げをすることで、より読みやすく・書きやすい魅力があります。
メリット③:ライブラリが多い
Pythonは、複数のコードをまとめて使いやすくした「フレームワーク」「ライブラリ」がとても豊富です。その点でも、人気のあるプログラミング言語であると言えます。ライブラリの数は数万にも上り、既存のライブラリを有効的に活用することで、自分が作りたいプログラムを簡単に作成できます。
1行で多くの処理を記述可能で記述性が高い特徴を支えるため、Pythonが付属している「標準ライブラリ」(Python公式サイト)というものがあります。Pythonには次のようなカテゴリーが設定され、その中にも様々なライブラリが展開されています。
- 数学関連
- ファイル操作およびさまざまなフォーマットのファイルの操作
- データの永続化
- データ圧縮/アーカイブ
- 並列処理
- ネットワーク処理
- インターネット関連
- GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)
Pythonをインストールしただけでも、上記の標準ライブラリを利用することで高度な処理を短いコードで行えます。幅広い用途で使えるPython向けの外部ライブラリも豊富に存在しています。
メリット④:インタプリタ型のためエラーを直しやすい
プログラミング言語には、「インタプリタ型」と「コンパイラ型」があります。Pythonは、インタプリタ型のため、プログラム実行と同時にコードを読み込ませておけます。そのため、エラーの確認がしやすく、エラーの解読に時間がかかりにくい点が魅力的です。インタプリタ型では、エラーを直しやすいので取り組みやすい言語と言えるでしょう。
コンパイラ型とは
「コンパイラ型」は、一度コーディングをした後にプログラミング言語をコンパイル(翻訳)します。その後、実行ファイルを作成し、読み込ませてからプログラムを実行する必要があります。
コンパイラ型の場合、仮に大量のエラーが発生した場合、修正するには根気が必要となります。
メリット⑤:機械学習
世界的にも「機械学習」は注目を集めています。AI分野のプログラム処理は、高度な計算や統計処理が必要となります。Pythonは、AI分野の外部ライブラリが充実しており、深層学習のライブラリやデータ解析に役立つライブラリなどがあります。結果、AI分野の開発にPythonを利用することが重要となってきます。
Pythonは、汎用的に様々なシステムが作れるので、AIの需要より一層伸びてくることもあります。Pythonの学習価値は高く、AI開発スキルを身に着けることで市場価値の高いプログラマーへ成長できる魅力があります。
Pythonのデメリット
Pythonのデメリットについて紹介します。
デメリット①:実行の速度が遅い
Pythonは、実行速度が遅いデメリットがあります。その理由は、「インタプリタ型」であるためです。インタプリタ型はコンパイラ型と比べて、実行速度が遅い傾向があります。処理速度の速さが必要です。そのため、ゲーム開発などには不向きかもしれません。
デメリット②:インデントがずれるとエラーになってしまう
「オフサイドルール」によって、インデントに使われる空白の数が同じものを1つのまとまりとなります。結果、インデントの位置が間違えてしまうとエラーに繋がってしまうことがあります。Pythonでコーディングする時は、空白への数を注意しなくてはなりません。
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Pythonが使われるサービス
Pythonの特徴などを紹介しましたが、ここからはどのようなサービスで利用されているのか、という点について紹介します。身近なサービスで、Pythonを近くに感じましょう。
YouTube

世界的に人気のある動画共有プラットフォームです。常にアップロードされ続ける膨大な容量の動画を処理するプラットフォームを支え技術にPythonが使われています。Youtube側の処理に用いられGoogle関連のWebアプリケーションで採用されている傾向があります。

Googleは、大手の検索エンジンです。多くの方が利用されているのではないでしょうか。GmailやGoogle MapsのバックエンドでPythonが使用されています。ソフトウェア開発はPythonエンジニアが活躍しています。
Blender

Blenderは、3Dグラフィックス作成するソフトウェアです。オープンソースで展開されていますが、機能が充実し日本語対応していることから、幅広く利用されています。キャラクターを動作させ、グラフィックス効果を行う機能にPythonを使用しています。
PayPal

PayPalは、世界最大規模のオンライン決済サービスです。金融業界では、機械学習手法の一つにあるディープラーニング(深層学習)を使用しています。主にPythonを使用したプログラミングになっていますが、ディープラーニングのライブラリ「TensorFlow」を使用しています。
Pythonを使う仕事

Pythonを使った職業について紹介します。
① AIエンジニア
「人工知能/AI」のエンジニアになると、機械学習は今後も伸びていく職業なので、将来的にも期待できます。多くの企業やシステムに導入されつつある人工知能は、これからも開発が進められるので興味がある人はPythonの勉強をしておくことをおすすめします。
いまや、人工知能は世界的にも大きなトレンドになっているので、「AI開発にPythonは不可欠」という流れからもPythonの重要性が上がります。
② データサイエンティスト
データサイエンティストは、データ分析の専門家です。膨大なデータを分析・研究し、企業や団体にとって最適な判断をくだす仕事です。「最も稼げる職業」とも言われているデータサイエンティストですが、ビジネス・トレンド・人工知能・統計学・行動心理学など、多岐に渡った分野の深い知識が必要になます。
人工知能や機械学習の知識が必要になる職業のため、Pythonを学びながら知識を身に着けておきましょう。Pythonは、「ほぼなんでも自動化できる」という特徴があります。大量の必要なデータ(ビックデータ)を自動で抽出するライブラリを使い、開発する膨大なデータの収集が安易になります。
③ Webエンジニア
Webアプリ開発を行う職業です。ベンチャー企業などで重宝されます。WebページやサービスをPythonで作成できると活躍できる可能性が高くなります。Pythonには、Webページ管理のための「Django(ジャンゴ)」フレームワークが標準で用意されています。汎用性がとても高いです。
「ユーザー認証」「管理画面」など基本的な動作は、Djangoで動かせます。Djangoは、生産性が極めて高く、オープンソースで日々Djangoの改良が重ねられています。セキュリティ対策も、Djangoで行えます。ユーザー情報やパスワードなど管理体世知が享子のため、Djangoで制作されたアプリケーションは安心して使用できます。
Pythonを学びながら、Pythonで標準に用意されているライブラリ、フレームワークを利用することで、より効率的にWeb開発なども進みます。
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学生 | 163,000円 |
他に8週間プラン、12週間プラン、16週間プランがあります。技術を学び将来的に役立てたい人や、エンジニアとして活躍したい方にもおすすめのコースです。
Pythonのロードマップ

Pythonを学ぶロードマップについて紹介します。
STEP1:Pythonを学ぶ目的を設定する
Pythonを学ぶ目的を設定しましょう。目的設定というのは、プログラミングを学んでからどう活かしていきたいかということです。プログラミングを習得する必要が何故あるのか、目的をきちんと設定した上で学ばないと、勉強が続かない可能性が考えられます。
興味がある内容だから、勉強も楽しく続けられより早く身につくという利点もあります。
目標設定①:人工知能の開発者になりたい
人工知能の開発者になりたいのであれば、Pythonの基礎に合わせて「scikit-learn」「tensorflow」などのフレームワーク、ライブラリを学ぶ必要があります。また、データの収集や分析・可視化なども必要となりますので、そういった点も一緒に深堀して勉強していきましょう。
目標設定②:Webアプリケーション・サービスの開発者になりたい
Webアプリケーションやサービスの開発者になりたいのであれば、「Flask」「Django」などを学びましょう。またこちらもデータの収集や分析、可視化などもできればより効率的にユーザー視点に立ったアプリケーション開発などが行えるかもしれません。
目標設定③:データサイエンティストになりたい
データサイエンティストになりたいのであれば、データに関する「requests」「Pandas」「Numpy」「Matplotlib」「Seaborn」などの知識が必要です。また、業務の効率化や自動化についての知識もあると良いので、「bs4」についても勉強しましょう。
STEP2:Pythonの勉強方法を設定する
Pythonの勉強方法を検討しましょう。独学で学ぶか、教えてもらって学ぶかという2点が主軸としてあります。当然、勉強をするのは自分自身ですが、教えてもらうのか、自分で情報を集めて学んでいくのかという点では人によって異なります。自分に見合った勉強方法で、Pythonのエンジニアになりましょう。
勉強方法①:独学で学ぶ
Pythonを独学で学ぶ方法があります。独学で学ぶ時は、以下のサイトなどを利用して練習しながら習得していくことも可能です。
また次の書籍を読むことをおすすめします。書籍で勉強する時は、一冊目ではしっかり読んでコードを写し書きしながら触れていきます。そして、二冊目以外に興味分野について詳しい内容が書いてある書物に触れましょう。
Udemyは有料ですが、講師にいつでも質問できるなどメリットがたくさんあります。以下の記事を参考に、興味のある講座をチェックしてみるのもいいですね。
勉強方法②:スクールへ通う
独学が大変で難しくなった時は、プログラミングスクールに通いましょう。PCで授業を受ける方法もありますし、通学で学ぶ方法もあります。自分に合う勉強方法で、確実に力を就ける方が早くPythonエンジニアになれる可能性があがるかもしれません。
STEP3:学習環境を整える
Pythonを学習できる環境を整えましょう。当然ながら、PCやインターネットの環境をまずは用意するところから始まります。パソコンは、WindowsでもMacでも構わないので、CPU Corei5以上で、メモリは8GB以上のスペックを選びましょう。快適に学習が行えると思います。
参考:プログラミングに向いているパソコンは?選び方やおすすめモデルを紹介
インターネットは、Python本体・ライブラリ・フレームワークなど入手するために使います。できれば光回線などで常時接続できる環境を整えておきましょう。その後、Pythonをダウンロード・インストールをすれば、Pythonの学習を始められます。またエディターなども用意しておきましょう。
- Python公式ホームページ
- Visual Studio Code
STEP4:Python基礎を学ぶ
まず最初にPythonの基礎を学びましょう。まずは、単純な計算から取り組みます。Pythonを使って、Pythonの機能を知るために必要です。単純な算数・関数・変数などをプログラミングして、身に着けていきましょう。
ソースコードを入力→実行、結果を確認するという流れによって、プログラミングをすることに慣れます。
詳しくはこちらからどうぞ。
その他、以下の基礎構文などを覚えましょう。
- データ型
- 文字列
- 整数
- 浮動小数点数
- ブール値
- データ構造
- リスト
- 辞書
- タプル
- 集合
- if文
- 繰り返し処理
- forループ
- whileループ
- クラス
基礎がないと応用なども学べないので、基礎をしっかりと学んで専門知識を深める準備をしておくことが大切です。
STEP5:Pythonの専門領域を学ぶ
Pythonの専門領域を知ることも大切です。Pythonのプログラミングによってできることを知った上で、専門領域を学びましょう。先ほど、目的を設定するという点を挙げたと思いますが、自分がPythonを用いてどういった活用をしたいのか、という点で専門領域の学ぶポイントが変わってきます。
- 機械学習などのAIモデルの開発・実装
- データの収集・分析・可視化
- WEBサービス・WEBアプリケーション
- 自然言語処理
- 業務の効率化・自動化
上記のことがPythonでできることです。その中で、自分がより深堀したいポイントを設定して、専門領域を学んでいきましょう。
STEP6:Pythonの実践経験を積む
Pythonを学び、知識などを深めた後は実践経験を積んでいきましょう。実際に自分でPythonを用いてプログラミングをしたり、クラウドソーシングでプログラミングの仕事をしたりすることで経験が積めます。練習や勉強だけでは即戦力として活躍するのは厳しいかもしれません。
実践経験を積むことで、より深いプログラマーとして成長することができます。実践的にプログラミングを行うと、壁にぶつかります。自分の学んでいたことや知識だけでは、解決することが難しく、また新しい知識を必要としたり、悩んだ結果答えが出たりするので、経験を積むことはとても重要です。
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まとめ:Pythonを学ぶと世界が広がる

Pythonは、これからの時代にとても役立つプログラミング言語です。Web開発に限らず、AI開発など未来を見据えて役に立ちます。可能性に満ちたプログラミング言語なので、独学でもスクールへ通ってでも構いません、将来に向けて学び続けましょう。
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