プログラミングの経験者や知識のある人であることの証明に「資格」を取得しておくことがおすすめです。
今回は、PHP技術者認定試験について紹介します。PHP技術者認定試験を取得することで、PHPを扱えることを証明できますし、就職や転職に有利になるかもしれません。
PHP技術者認定試験とは?
PHP技術者認定試験は、プログラミング言語PHPのスキルを証明する資格です。PHP技術者認定機構が実施しています。PHP技術者が多くいる中、技量の差が開いている問題が生じている現状から、解決するためにPHP技術者認定試験が誕生しました。PHPの技術力を正式に評価してもらうことで、実務経験の少ないエンジニアにとっては転職などで有利となる資格の一つです。PHPを独学で学びたいと検討中の方は、『未経験者が独学でPHPを学ぶロードマップ』を参考にPHPの勉強をしながら、資格取得を目指しましょう。
PHP技術者認定試験受けるメリットとは
PHP技術者認定試験を受けるメリットについて紹介します。
PHP技術者認定受けるメリット
- PHPエンジニアとしての技術力の証明ができる
- 転職、就職にアピールできる
- 求人数が多く、将来性のあるプログラミング言語
PHPの資格取得を通じて、資格がない人よりも早くキャリアを積める魅力があります。また、資格取得により体系的に学べることから知識が身につくのでおすすめです。PHPの求人は数多く展開されています。プログラミング言語そのものは、200種類以上が存在し、国内市場ではJavaに次いで第2位の求人数をもつのがPHPです。企業のWeb開発系の求人案件が多数あります。PHP言語は、Web系やオープンソース系、ゲーム系など幅広い分野で活躍できるので、就職や転職時に大きなアピールとなります。
PHPで作られたWebページは、24億以上あると言われています。WordPressなどのCMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)やSNSの多くもPHPで作成されています。そのため、Web開発系の言語として今後も大きな存在感を維持し続けることが予想され将来性の高いプログラミング言語であると言えるでしょう。
PHP技術者認定試験でキャリアアップできる?
PHP技術者認定試験を取得すると、PHPの技術力を武器にできます。PHP技術者認定試験を受けて、自分の実力やスキルを提示できるようにPHP技術者認定試験を受けましょう。転職では勿論、新規プロジェクトの受注がしやすくなるメリットがあります。社内でも、資格を保有していることで社内でのキャリア形成においてもメリットになります。PHP技術者認定試験を保有していることで、優遇してもらえる可能性もあります。早い内に取得しておくと、良いことばかりなので資格取得を頑張りましょう。
未経験者から就職する場合
新卒や業界を変えて転職する場合、PHPに対する学習意欲を十分に示せます。企業により差はありますが、初級合格であっても他の未経験応募者より有利になる可能性が考えられます。無資格の経験者と比べるとアピールが弱い事実もあります。資格取得を通して何を得られたのか、きちんと説明できることが大切です。
経験者から転職する場合
経験者であれば、初級は物足りない資格ですが客観的に示せるスキルの指標となります。就職時と同じく、資格取得する経緯や取得する過程でどんなスキルが得られたのかを説明できることがポイントです。転職時に有利にならなくとも、自分の技術が一般的に通用するものかを確認できますし、現場でも通用する技術であることで自信がつきます。自分に足りない部分も勉強している中で把握できるので、試験受験がおすすめです。
PHP技術者認定試験の試験概要について
PHP技術者認定試験の試験概要について紹介します。
PHP技術者認定試験の難易度
PHP技術者認定試験の難易度は、次の3つがあります。スキルや経験によって難しさが異なります。
- 初級:学生、Webデザイナー、新人プログラマーが対象です。
- 上級(準上級):実務経験3年以上のPHPエンジニアが対象です。
- 認定ウィザード:上級試験合格後2年以内の人が対象です。
簡単に解説します。
初級
初級試験では、PHPの基礎知識が問われます。独学者の合格率を75%、認定スクール受講生の合格率を85%に目標設定された難易度になっています。PHP技術者認定試験の中で一番簡単なグレードです。
上級(準上級)
実務では滅多に使用しない知識が問われる問題が多くあります。第一線で活躍しているプログラマーも試験対策必須の難易度になっています。PHP言語仕様を理解し、実用的で高度なプログラミングテクニックをもつ人を想定とした内容です。上級試験で5割以上7割未満の点数を取得すると、「準上級試験合格」に認定されます。準上級認定の認定証と認定カードが発行できます。
認定ウィザード
4,000文字以上の論文を匿名で公開し「投票制」で審査される方式です。初級・上級と比べて、相当なスキルや知識が必要となります。提出した論文の領布権をPHP技術者認定機構に付与することに同意することの条件があります。論文公開スタイルの試験となるためです。
PHP技術者認定試験の出題範囲と出題率
公式で発表されている初級試験の出題範囲、出題率は以下のような内容になっています。
出題範囲 | 出題率 |
オリエンテーションと初めの一歩 | 6% |
テキストと数の操作 | 8% |
判定と繰り返しについて | 8% |
配列の操作 | 8% |
関数 | 8% |
Webフォームの作成 | 8% |
データベースに情報を保存 | 8% |
クッキーとセッションでユーザを記憶 | 6% |
日付と時刻の取り扱い | 6% |
ファイルの操作 | 8% |
XMLのパースと生成 | 2% |
デバッギング | 4% |
クラスとオブジェクト(クラス定数も含む) | 2% |
日本語処理 | 6% |
正規表現の基本 | 4% |
PHP5.1とPDO | 3% |
セキュリティ | 3% |
出力バッファ | 3% |
定数・予約語 | 3% |
PHP技術者認定試験の受験料、試験日、試験会場
PHP技術者認定試験は、全国のプロメトリック試験会場で希望日に受験が可能です。試験日と試験開始時刻については、各会場に依存します。
PHP技術者認定試験の受験料などの詳細は以下の表を参考にしてください。
グレード | 問題数 | 試験時間 | 受験料 | 合格ライン |
初級試験 | 40問 | 1時間 | 12,000円 | 70%(28問以上) |
上級試験 | 60問 | 2時間 | 15,000円 | 70%(42問以上)(準認定:50%) |
PHP技術者認定試験の試験勉強について
PHP技術者認定試験の試験勉強をどのように取り組んだらよいのか説明します。
PHP技術者認定試験の勉強方法
- 基礎を固める
- 参考書で学習する
- 本番レベルの問題集を解く
具体的に解説していきます。
STEP1:基礎を固める
プログラミングの基礎を動画や学習サイトで勉強すると効果的に学習できます。PHPに触れること、レベルを徐々に上げる意識をしてゲーム感覚で学ぶことがおすすめです。動画学習サイトでは、実際にコードを書いて実践的に学べます。マニュアルを見なくても初歩的なコードをある程度書けるようにしておきましょう。
動画学習サイトでは、Udemyという動画サイトがおすすめです。気になった方は、『UdemyでおすすめのPHP講座6選!』をご覧ください。
STEP2:参考書で学習する
PHPの雰囲気がある程度掴めると、初心者向けの参考書を使うことで深い理解をさらに深めていくことがおすすめです。参考書を選ぶ時は、ソースコードの書き方が分からない初心者向けのレベルから、エンジニアとしてのスキルがある人向けのものなどレベルが別れているので、自分のレベルに合わせて参考書を選びましょう。
PHP初心者が学習するのにおすすめの本については、『プログラミング初心者がPHPを学ぶ時に読むべき本』を参考にしてください。
STEP3:本番レベルの問題集を解く
参考書で基礎を固めたら、本番レベルの問題集で演習を行いましょう。初級・上級ともに以下おすすめの問題集に紹介している「黒本」と呼ばれる問題集で演習することがおすすめです。時間配分を考えながら本番に近い感覚で練習できるので、効果的に試験勉強が行えます。PHPの理解を深堀できるので問題集を使うことがおすすめです。
おすすめの問題集
おすすめの勉強時間
初級試験、上級試験の勉強時間はどれくらいが望ましいのでしょうか。個人によって差が生じるのは言うまでもありませんが、自分のスキルに合わせて取り組むようにしましょう。大前提、初心者はPHP以外のプログラミング言語を習得しているかどうかで勉強時間が異なります。出題範囲をしっかりと把握しておくことで、ピンポイントに勉強できるので把握しておくことも大切です。
初級試験の合格までの勉強時間
実務経験が2年目のプログラマを想定した場合、一般的に10時間程度の試験勉強を行うことがおすすめとされています。合格数の内容を9割以上理解するのに必要な時間が、そのままの最低限の勉強時間です。
上級試験の合格までの勉強時間
実務経験5年目のプログラマを想定した場合、経験内容にも異なりますが50時間程度の試験勉強をすることがおすすめです。
独学で学ぶ以外に、プログラミングスクールで学習する方法もあります。『PHPを学ぶならこのプログラミングスクールがおすすめ』を参考に学校を選んでみましょう。
まとめ:PHP技術者認定試験を取得してスキルをアピールしましょう。
PHP技術者認定試験を取得することで、エンジニアとしてのスキルアップやキャリアアップに繋がるのでおすすめです。正しい勉強方法で取り組めば合格できます。
スクールで学ぶこともおすすめですが、独学でも合格できるくらいまで勉強できるので頑張ってください。