ネットワークスペシャリスト試験とは。取得するメリットと勉強方法について紹介。

ネットワークスペシャリスト試験とは。取得するメリットと勉強方法について紹介。
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ネットワークスペシャリスト試験は「転職」に有利とされています。そんなネットワークスペシャリスト試験を受験しようと考えた時、どのような勉強をしたらよいのでしょうか。ネットワークスペシャリスト試験の勉強方法などについて紹介します。

目次

ネットワークスペシャリスト試験とは

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークの固有技術からサービス動向など幅広く精通する試験です。目的に適合した大規模で堅牢なネットワークシステムを構築・運用できるネットワークエンジニア、インフラ系エンジニアを目指す人に最適な資格です。情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援が行えることを証明できます。

ネットワークスペシャリストの仕事内容

ネットワークスペシャリストは、ネットワークに関するスペシャリストのことです。資格試験を合格した能力の高いネットワークエンジニアのことを指します。保守・運用などの下流工程で経験を積んだ上で、企画・構築などの上流工程に携われます。ネットワークスペシャリストになるとより多くの工程に携われる人材になれます。結果、大規模なネットワークシステムに関わる仕事ができるようになります。

ネットワークスペシャリストの主な仕事内容

  • システム設計
  • システム構築
  • システム管理

それぞれについて、具体的に説明します。

システム設計

ネットワークスペシャリストは、顧客の要望をまとめたシステム設計を行います。コストの低減、短期間での構築など、顧客の要望だけに限らず要望されていない内容についても設計の段階で考慮する必要があります。完成した全体像、完成に至るまでの工程などを事前に把握する能力が必要です。

システム構築

システム設計を行ったあと、設計書を作成します。設計書に合わせたシステム構築を行います。機器の設置・設定・配線などの物理的作業を中心とした業務です。構築作業は、設計書通りに進めなくてはなりませんが、状況を判断し必要に応じた設計の見直しなど適宜、変更・対応する必要があります。システム稼働に影響がでないよう判断する能力が必要です。

システム管理

ネットワークシステムを稼働した後、運用・管理をしなくてはいけません。トラブルが発生し、システムが使えなくなる場合も考えらます。トラブルが発生し、システムが動かせなくなってしまうと、仕事ができなくなりデメリットが多くあります。重要なデータが破損する恐れもあるので、状態を確認し、トラブルの対応を迅速に行う能力が必要です。

ネットワークスペシャリスト試験取得後のメリットとは

ネットワークスペシャリスト試験取得後のメリットは、以下の点が考えられます。

メリット

  •  ITproの特集「いる資格、いらない資格」で上位にランクイン
  • 他の資格試験で一部免除が受けられる
  • キャリアアップが可能になる

詳しく解説していきます。

 ITproの特集「いる資格、いらない資格」で上位にランクイン

ITpro(ITpro Report)の特集に「いる資格、いらない資格」の中に、ネットワークスペシャリスト資格は「いる資格」として上位にランクインされています。システムエンジニアとして勤めている場合、中小企業診断士よりもネットワークスペシャリスト資格保有者の方が優遇されることがあります。

他の資格試験で一部免除が受けられる

ネットワークスペシャリスト資格を保有することで、以下試験の免除が受けられます。

  • 中小企業診断士試験:第1次試験科目の一部免除
  • 弁理士試験:論文式筆記試験選択科目(理工Ⅴ(情報))免除
  • 技術士試験:第一次試験の専門科目(情報工学部門)免除
  • ITコーディネータ(ITC)試験:ITC試験の一部が免除される専門スキル特別認定試験の受験可能、資格更新時のポイント

キャリアアップが可能になる

ネットワークスペシャリストは、転職に有利な資格です。責任のあるポジションに就けることで、職場のリーダーや出世を考えている人にとっては、より有利になります。目標に近づきやすくなるので、年収アップにも繋がります。給料の手当がつくケースもあるので、資格取得を目指しましょう。

ネットワークスペシャリスト試験の概要

ネットワークスペシャリスト試験の概要について説明します。

ネットワークスペシャリスト試験の内容

ネットワークスペシャリスト試験の時間は、内容によって開きがあります。(およそ40分から120分など)朝から夕方まで1日かけて行われる試験です。免除資格を得ると午前試験を免除できることがあります。

時間時間試験方法
午前Ⅰ(9:30~10:20)午前Ⅱ(10:50~11:30)多肢選択式(四肢択一)
午後Ⅰ(23:30~14:00)午後Ⅱ(14:30~16:00)記述式(2~3問)

記述式の問題は、2~3問の出題数ですが試験時間が長い傾向があります。幅広い知識が必要とされているので、技術だけに限らず「マネジメント」や「セキュリティ」までの高度なスキルを試します。毎年、10月の第3日曜日に実施予定です。

免除資格

・応用情報技術者試験(AP)に合格していると「午前Ⅰ試験」を免除してもらえます。

ネットワークスペシャリスト試験の難易度・試験範囲

ネットワークスペシャリストの試験合格率は14.4%(令和元年)です。ネットワークスペシャリストは、転職に有利で難しい試験と言われているだけあり、合格率があまり高くない傾向がみられます。

午前試験では、特に午前Ⅱの試験においては、午前Ⅰ試験のような対策は必要なく技術要素(ネットワークとセキュリティ)の大半の問題に正解できれば,合格基準点を達成できるとされています。

午後試験では、受験者の能力が当該試験区分における「期待する技術水準に達しているかどうか」を技能によって問う試験内容となっています。

合格基準

全ての試験において、100点満点の素点方式配点で採点され、60点を超えることが必要です。

午前Ⅰの試験範囲

午前Ⅰ試験は、応用情報技術試験の午前問題から選抜された30問で構成されます。テクノロジー・マネジメント・ストラテジ系の全分野が範囲となります。考察問題が増え、文章問題が減っているので過去問題では難しい内容がやや多くなっているようです。

午前Ⅱの試験範囲

午前Ⅱ試験は、「コンピュータ構成要素」「システム構成要素」「ネットワーク」「セキュリティ」「システム開発技術」「ソフトウェア開発管理技術」の6分野から出題されます。午前Ⅰと被る内容がありますが、高度になるため難易度が上がります。

午後Ⅰ・Ⅱの試験範囲

ネットワークシステムの企画・要件定義・開発、 ネットワークシステムの運用・保守、ネットワーク技術・関連法規・標準、ネットワークサービス活用、ネットワーク・アプリケーション技術などについて問われます。

午後Ⅰでは、正解できる設問で確実に特典を増やし記述された内容や条件を十分に考慮することが必要です。また、午後Ⅱの問題では、問題分量が10ページ以上にわたります。問題の全体像を的確に把握することが必要です。取りこぼしのないように合格基準点をクリアすることが必要となります。

ネットワークスペシャリスト試験に向けた勉強方法

ネットワークスペシャリスト勉強方法

ネットワークスペシャリスト試験に向けた勉強方法は、以下の内容がポイントです。熱意と戦略をもっておこなえば、独学でも十分に通用する知識やスキルを身につけられるので、頑張りましょう。

ネットワークスペシャリストの勉強方法

  • 午前の問題:スキマ時間で対策
  • 午後の問題:過去問を解いて経験値を稼ぐ
  • 「模擬試験」を本試験までに実施する

4点について簡単に説明します。

午前の問題:スキマ時間で対策

午前試験は、どちらとも4択問題です。スマホアプリなどで午前問題を繰り返し解いて対策を取ることがおすすめです。無料で過去問を解けるスマホアプリが公開されているので、利用しましょう。また、過去問と同じ問題で出題されることがあるので、繰り返し問題を解くようにしましょう。

おすすめ書籍・過去問

午後の問題:過去問を解いて経験値を稼ぐ

午後の問題は、ネットワークの高度な知識を問われます。そのため、前提知識が必要となります。実務経験がある人は、ネットワーク基礎知識がある前提で過去問をひたすらに解きます。午後Ⅰ・Ⅱは、解き方や時間配分が異なるため、それぞれの過去問を解き「経験値」を積みましょう。問題文が長く、ざっと問題の概要を確認し解けそうな問題から取り組めるように過去問を多く解くことがおすすめです。

おすすめの過去問

「模擬試験」を本試験までに実施する

時間計測をしながら、模擬試験を実施するようにしましょう。午後問題は、模擬試験を行うことで時間配分をどうするか把握できるようになります。時間が足りずに解けなかった人も中にはいるので、模擬試験で過去問に取り組むことが大切です。過去問を実際に印刷して用意することで、実際に問題を解き、設問と問題文の間で書き込みが行えるので、解答スピードを上げるテクニックが身につきます。メモ書きをしながら解答する解き方を覚えましょう。

必要な勉強時間とは

具体的に必要な勉強時間について紹介します。具体的には、試験を受ける人のレベルに合わせた勉強時間が必要となるので、初心者や初めて受験をする人は、ここで紹介する時間以上にかかる可能性があります。また、個人の能力で異なるので「自分が理解する」ことができる内容での勉強を進めることが大切です。

必要な勉強時間

  • 学習期間は約1ヶ月
  • 総勉強時間は70時間ほど
  • 午後問題、模擬試験は休日にまとめて行う

学習期間は約1ヶ月

午前Ⅰの試験勉強含めて、プログラミングなどの実務経験がある人は1ヶ月の勉強で試験を受験し合格したケースがあります。ポイントは、過去問を繰り返し解くこと、わからない点はわかるまで解き直すことです。総勉強時間は70時間ほどで学習を進めていきましょう。

具体的な時間配分

  1. 午前の集中対策1週間(1日1時間×7日=7時間)
  2. スキマ時間による午前対策(1日1.5時間×20日=30時間)
  3. 休日の午後集中対策(1日4時間×休日8日=32時間)

最初の1週間は、午前試験の過去問題を学習し、通勤時間などのスキマ時間でスマホアプリを利用した対策を行います。午後試験については、文章量が増えるため、集中する必要があることから、休日にまとめて行うことがおすすめです。

午後問題、模擬試験は休日にまとめて行う

午後問題や模擬試験は、休日にまとめて行うようにすることがおすすめです。勉強する時間が普段からある人は、これに限りません。ただ、仕事をしながら勉強をする人は、休日に集中して問題を解き、解説を確認する流れを作ることが大切です。問題を解くだけでも、2時間以上必要となるので、効率的に学習を進めるためには休日の勉強が必要です。

また、模擬試験についても実際の環境と同じようなスタイルで行いましょう。本番に近い状況で試験を行うことで緊張もしにくくなり、集中力も上がります。

ネットワークスペシャリストは、転職に有利?

ネットワークスペシャリストの資格を取得すると転職に有利です。ネットワークエンジニアとして高いスキルを保有している証明になるので、取得して転職に挑むことがおすすめです。ネットワークスペシャリストの資格取得は難易度が非常に高いため、将来のことを見据えた上で資格取得をしましょう。

中でも、ネットワークスペシャリストは、インフラ系エンジニア(プログラマー・Webエンジニアなど)やネットワークエンジニアへの転職が向いていると言われます。高度な固有技術を有している人がほとんどのため、ネットワークスペシャリストの資格を取得を目指しましょう。インフラエンジニアへのキャリアパスについては『インフラエンジニアのキャリアパスと目的・目標を徹底解説!』をご覧ください。

ネットワークスペシャリスト転職例

ネットワークスペシャリストの転職実例を紹介します。主に、ネットワークエンジニアやインフラ系のエンジニアへ転職する傾向が見られます。多岐にわたるネットワークに関する固有技術を必要とする職業のため、以下の職業に転職します。またネットワークスペシャリストの転職を目指す人は向上心が高い傾向があります。

  • ネットワークエンジニア
  • インフラ系エンジニア

具体的な転職例について簡単に説明します。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニア

ネットワークスペシャリスト資格を所有している人は、構築からサービスまで精通しています。そのため、幅広い知識の中でも構築に関する知識や経験が必要となります。そのため、ネットワークスペシャリスト資格試験に向けた勉強をしてキャリアアップを目指すことがおすすめです。

ネットワークエンジニアの平均年収は、380万円と言われています。個人の能力やネットワークスペシャリスト資格を所有することによってよりプラスの収入が期待できます。

インフラ系エンジニア

インフラ系エンジニア

プログラマーなどのインフラ系エンジニアへの転職の例もあります。インフラ系エンジニアは、実績を重要視する傾向がありますが、ネットワークスペシャリスト資格を保有している場合、転職において有利に働きます。プログラミング未経験者でもネットワークスペシャリスト資格をもつ人は、インフラ系エンジニアへの転職ができる可能性があります。

インフラ系エンジニアの平均年収は、549万円です。ネットワークスペシャリスト試験を取得することで、この平均年収以上の年収が期待できます。

まとめ:ネットワークスペシャリスト試験を取得してキャリアアップを目指そう!

ネットワークスペシャリスト試験を取得することで、転職活動を有利に進められます。ネットワークスペシャリスト資格は、エンジニアとして需要が高い試験です。試験の難易度は高く合格を目指すのは大変ですが、キャリアアップにも繋がるので、ネットワークスペシャリスト試験合格を目指しましょう。

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