UI/UXの意味について漠然と理解をしていても、明確な意味が分かっていない人や具体的に分からない人がいるかもしれません。また、UI/UXを本で勉強する時に、どのように選んだら良いのか迷う人もいることでしょう。
今回は、UI/UXを本で学ぶ時におすすめの本を紹介します。
UIとは
UIは、User Interface(ユーザーインターフェイス)の略称語です。ユーザーとプロダクトをつなぐ接点で、「ユーザーの目に触れる」という意味で考えると分かりやすいでしょう。Webサイトやアプリケーションなどでは、「デザイン性」「操作性」を指します。
美しいだけではなく、快適に操作ができること、視認性に優れたレイアウト、知りたい情報に素早くアクセスできる検索性能の高さなどが必要です。
例えば、Amazonなどは世界最大のEC企業ですが、ほかの追随を許さない豊富な品揃え・物流網によるスピーディーな配送などがあります。また、優れたUIが魅力的で、シンプルなサイトデザインや「欲しい情報」に辿り着くアクセシビリティが優れている点などが魅力的です。ほかのECサイトと比較にならないほど優れています。
UXとは?
UXは、User eXperience(ユーザーエクスペリエンス)の略称語です。プロダクトやサービスを通じて得られるユーザー体験を意味しています。UXの範囲は、UIよりもさらに広く全ての顧客体験を指しています。「視認性」「操作性」を意味するUIはUXに内包されています。
ユーザーが求めるWebサイト・アプリケーションを制作するためには、UXを意識することが重要です。良いプロダクトやサービスであっても、ユーザーに届かないと意味がないため、UIを内包したUXを作り上げることが大切となります。
例えば、AppleのプロダクトはUXの代名詞です。Apple製品といえば、『シンプリシティを追求したデザイン性の高さ』が特徴的で、美しさだけでなく純粋に扱っていて楽しさを感じられる魅力があります。この「楽しい」を感じられるという「ユーザー体験」を提供していることが重要です。唯一無二の作品・商品を生み出すためには、洗練されたデザインかつ楽しんで簡単に使えることが重要であると言えるでしょう。
UIとUXの違いとは
UIとUXは、文字の見た目や語感が似ているので勘違いしたり混同したりすることがあるかと思います。
UIとUXの明確な違い
- UI:サービスの扱いやすさ
- UX:サービスを通じた体験
その点を踏まえることで、商品やサービスを作った時にユーザーにとって「利用価値のあるもの」になります。操作性やデザイン性が優れているだけでなく、結果、触れたものから得られた感情などが重要です。UXを高めるためには、UIによってもたされるので、UIはUXに内包されるということになります。
UI/UXデザインのポイント
UI/UXデザインを改善するために必要なポイントを紹介します。
ポイント
- 利用者の使用イメージを検証
- 目的を明確に
- ユーザーテストを実施
それぞれについて解説します。
利用者の使用イメージを検証
UI/UXデザインを考える時に必要なのが、「ユーザーが使用する場面」を徹底的に考えることです。プロダクト・サービスを利用するユーザーが、どのようなことで悩んでいるのか、興味・関心があるのかを想像し、明確化することが重要なポイントとなります。
顧客(ユーザー)の気持ちを理解することで、購入・利用に至るまでの行動や思考・感情までも把握しやすくなります。結果、利用者が増える可能性が高まります。
目的を明確に
UI/UXデザインは、目的を明確にしましょう。提供する予定の商品やサービスについて、「何のために」「誰に向けて」存在し、発信するのかを明確化することが大切です。明確化することで、結果、どのようなUI/UXを実装したらよいのかがわかるようになります。
サービスや商品を使うのはユーザーです。そのため、ユーザー視点に立ったデザインを考えることが、収益にも大きく影響してくるようになります。
ユーザーテストを実施
UI/UXデザインに正解はありません。改善を繰り返しながら、良い商品やサービスを提供し続けることがポイントとなります。「ユーザーが何を求めているか」を理解するために、ユーザーテストを行うことが大切です。
ユーザーテスト:行動観察の一種。製品・サービスにおけるデザイン・コンセプトを検証し、問題点を明らかにする目的があります。
ユーザーに実際に起こりうるシチュエーションを想定して利用してもらいます。その様子を観察することで、問題がないかを検証します。ユーザーテストを重ねることで、課題・問題点を見つけ、改善を繰り返すことで、UI/UXデザインの最適化が行えるようになります。
おすすめのUI/UXを学べる本
おすすめのUI/UXを学べる本を紹介します。
UI/UXデザインの原則
ユーザーに選ばれるWebサイト作りに必要な「使い勝手」「見た目」「満足感」について学べます。200社以上の企業のCVRを向上させたスペシャリストが「UI/UXデザイン」を基礎から解説しています。Webサービスの重要性が増しているため、この本を読んで基本から応用までを学びましょう。
UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方
マイクロコピーは、Web・アプリなどで目にするボタン、会員登録フォーム、操作上のアドバイス、エラーメッセージなどのテキストのことです。マイクロコピーがユーザーに行動意欲を高めてくれます。この本を読めば、誰でもマイクロコピーを書けるようになります。
はじめてのUXリサーチ ユーザーとともに価値あるサービスを作り続けるために
UXリサーチの基本的な捉え方、手法、組織で活かせる仕組みの作り方などを学習できます。UXリサーチの入門書です。よりよいサービスを開発していくために必要なUXリサーチの重要性が高まっている中で勉強することがおすすめの内容となっています。
オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理 WEB+DB PRESS plus
オブジェクトを起点としてUI設計を行う方法について解説しています。開発効率や作業効率が高まり、拡張性が向上する利点があります。前半部で理論・プロセスを解説し、後半では実践演習があるため手を動かしながら学習できます。
UXデザインの法則 ―最高のプロダクトとサービスを支える心理学
著者Jon Yablonskiが、「意思決定にかかる時間は選択肢の数と複雑さで決まる」、「タッチターゲットに至るまでの時間はターゲットの大きさと近さで決まる」という点について紹介しています。ノンデザイナーにもデザインセンスが求められる時代に必須のハンドブックです。
UXグロースモデル アフターデジタルを生き抜く実践方法論
全てがオンラインになる「アフターデジタル」の世界では、産業構造に大きな変革がもたらされることが予想されています。新たなステージに上がる機会に、具体的な「UXグロースモデル」の方法論を解説しています。より深く学びたい人におすすめです。
【新版】UI GRAPHICS 成功事例と思想から学ぶ、これからのインターフェイスデザインとUX
インターフェイスに向き合うデザイナーたちの実践と思考をまとめています。世界の優れた実例・この領域に携わる研究者、実践者の知見を学べます。豊富なビジュアルから最新のトレンド・手法を観て学習し、新しいデザイン思想と哲学を学習します。
まとめ:UI/UXを勉強してスキル・知識を身につけよう
ユーザーが操作しやすく、デザイン性のあるWebサイトやアプリ、また、サービスを通じて得られる体験を高めることが今後より必須となってきます。ユーザーの視点に立った開発を行うことが大切です。UIとUXの意味・目的をしっかりと理解し、意識したデザインを反映させられるように紹介した本などを活用して勉強しましょう。