昨今、注目を集めている”フリーランス”という働き方について。
”フリーランス”とは、会社や組織に所属することなく、個人で仕事を請け負う働き方のことを指します。
インターネット環境の向上や、クラウドサービスの浸透により、時間や場所にとらわれない仕事の仕方やフリーランスという職種が広く注目されるようになり、年々増加傾向にあると言われています。
この記事では、その中でも”グラフィックデザイナー”としての働き方・経験をお話ししたいと思います。
私自身、2年間インハウスデザイナーとしての経験を経て、フリーランスのグラフィックデザイナーとして独立しました。
デザインについては約10年以上独学で学び、子育てしつつ、フリーランスの道へ本格的に進み始めました。
現在は2人目の妊娠中でありながら、日々仕事と育児に翻弄されています。
グラフィックデザイナーとは
グラフィックデザイナーの仕事内容は、主に印刷物(紙媒体)をデザインする事です。
チラシ・フライヤー・ポスター・リーフレット・パンフレット・名刺・雑誌の広告等、取り扱う商品は多岐に渡ります。
クライアントの悩みに応じた商品選びをし、商品に合わせて写真やイラスト、文字情報を組み込んでいきます。
自己表現をするアーティストと違う部分は、クライアントの目的に応じた技術提供をし、問題解決を促す事がデザイナーの役割です。
グラフィックデザイナーとしてのスキルを身につける方法
①スクールに通う・講座を受ける
未経験だけど最短でグラフィックデザイナーを目指したいという場合は、専門のスクールに通う方法が1番の近道かと思います。
IllustratorやPhotoshop等のデザインソフトの使い方は基礎が出来ていないと、後から「そんなやり方あったんだ!」と気づかされる事があり、独学では非効率的な事が多いです。
私自身まさにそうで、基礎を学んだ人は強いなと感じます。
改めて、デザインに関する講習を受けてみたり、YouTubeで動画を観たり、いつになっても学ぶ事は大切。
こちらのサイトでは、IllustratorやPhotoshopを含むAdobeソフトの基礎を学べるだけでなく、開発・エクセル・マーケティング等、とにかくジャンルが豊富。
1から基礎を学びたい方も、スキルアップしたい方にもオススメです。
②広告代理店・制作会社等の企業で経験を積む
デザインスキルだけじゃなく、プレゼン力や問題解決能力等、グラフィックデザイナーとしてのスキルが磨かれます。
また、様々なデザイン案件をこなすことで、実務経験をしっかりと積むことができます。
何より、クライアントとの人脈ができれば、フリーランスになった時に大きな財産となります。
③インハウスデザイナーとして働く
インハウスデザイナーとは、「社内デザイナー」「企業内デザイナー」とも呼ばれ、専属デザイナーとして自社デザイン全般を担います。
商品デザインだけでなく、WEBや紙媒体、名刺、会社案内、看板等、担当するデザインは多岐に渡ります。
インハウスデザイナーとして働くメリットとしては、制作会社や広告代理店であれば部門毎に分かれている業務も一貫して行う事がほとんどな為、デザインだけではない業務も圧倒的に多く、フリーランスになった時に役に立つ強みとなります。
制作会社や広告代理店であれば「紙」「WEB」「動画」等、部門ごとに分かれている「デザイン」の業務も、必要があれば、企画・修正から携われます。
直接業者との連絡調整や提案をする為の「営業力」や、色構成や大部数両面印刷する際の「DTP」の知識もつきます。
また、毎年作るものが決まってくるので、飛び込み案件は少なく、スケジュールが立てやすいです。
デメリットとしては、クライアントは社員や上司という部分。
クライアントがいる広告代理店・制作会社等とここが大きく違う為、人脈作りは期待できません。
また、好きな事が極められないという点もあります。
社員はすぐに営業に使えるチラシが欲しい・タイムリーに宣伝したい商品がある為、実際にデザインする時間よりも、いち早く印刷・更新する事が重要となってきます。
④独学
私はここから始まりました。
ここ最近はネット上にも情報が豊富なので、うまく使いこなせば費用を抑えながら、独学でグラフィックデザインの勉強をすることは可能です。
ですが、知識だけでは技術や経験には結びつきません。
受講と同じように、学んだ事を1度でも実践してこそ。
1度でもやった事は”経験”になり、繰り返し行う事で”技術”となります。
フリーランスになる前の準備リスト
①最低限の環境整備
場所やデスクの確保、パソコンやグラフィックソフト、スキャナーやプリンター、バックアップ用の外付けハードディスク等、制作環境の整備は仕事をする上で最低限必要です。
②手続きの下調べ
開業届や年金・健康保険等、様々な手続きが必要となります。
自治体や各市町村によって異なる事もあるので、しっかりと調べておきましょう。
③ビジネスツール
印鑑・角印・通帳・クレジットカード・住所印・封筒等。
事業内容やフロー案内等の説明資料があれば仕事がスムーズに進みます。
制作に十分時間を使えるように、必要なツールは予め揃えておくことが大切。
④内部書類
見積書・請求書・納品書・領収書等。
あと、私が個人的にこれは用意しておけばよかったと思ったものは契約書です。
契約書はフリーランスを守ってくれる大切なもの。
でも、作るには時間も労力もかかります。
私も現在制作中ですが、フリーランスで日々の仕事をこなしつつはとっても大変。
出来次第、ご紹介させていただきますね。
弁護士さんに見てもらい、しっかりしたものを一度作っておけば、ほぼ一生ものとなります。
⑤ポートフォリオ
ポートフォリオとは、今までに携わった制作実績を集めた作品集のことを指します。
グラフィックデザイナーは、成果物に対して報酬をもらう職種なので、営業するにあたってポートフォリオは必須です。
ポートフォリオはWEBサイトや紙媒体等、作り方も様々で、時間もかかります。
本来であれば、相手によって最適な構成をする必要もあります。
せっかく素晴らしい作品を作っていたとしても、受け手に響かなくては新しい仕事やチャンスには恵まれません。
自己満足ではなく、相手の心を動かすためのポートフォリオを予め作っておきましょう。
⑥仕事の獲得方法
収入源を確保することは最も重要な事。
仕事はどのように獲得していくか、しっかりと考えておきましょう。
仕事の獲得方法については、次でパターンを紹介したいと思います。
仕事の獲得方法について
①人脈
フリーランスにとっては1番の強みになります。
仕事を獲得するだけじゃなく、何かあったときに相談したり、時には手伝ってもらったり。
クライアントだけじゃなく、同業・異業種の方とも常によい人間関係を築いておくことが大切。
人との関わり、繋がりは大切に。
②SNSでの発信
自社のホームページやブログ開設もお勧めします。
グラフィックデザイナーがフリーランスで活動するには、自分のファンを作る事も大切。
何よりも信頼が大切になってくるので、一度仕事をしたクライアントとの実績は発信し続けましょう。
そのクライアントの信頼が深まるだけでなく、人脈がどんどん広がります。
逆にクライアントと信頼関係を築けていないフリーランスデザイナーは、常に新規クライアントを探して営業活動をし続けています。
実績はないけど営業ばかりしているな、と見抜かれてしまいます。
活動内容の発信方法は間違えないようにしましょう。
③クラウドソーシング
最近では、企業と個人がオンライン上で直接受発注できるクラウドソーシングが急増しています。
単価が低い等のデメリットはありますが、最短かつ手軽に実績作りが出来ます。
また、時間や仕事の種類も自分で選ぶことができます。
空いた時間で知識を経験にできることも大きなメリット。
経験が増えれば単価も上がっていくので、上手く使いこなせば、高収入も期待できます。
まとめ
フリーランスのグラフィックデザイナーは、受注してから打ち合わせに入り、打ち合わせ内容をまとめ、ラフ案を共有し、赤ペンを沢山入れて、修正内容や次回案をまとめる、同時に同じ業界のリサーチ、素材集め、最適な印刷業者の選定、見積もり等…
煌びやかなデザインをしている時間はごく僅かとなります。
実際は地味な積み重ねの多い仕事です。
そんな中でも、どれだけこだわりを持ってやれるか。
どれだけお客様に喜んでもらえるか。
フリーランスでやっていくためには「デザインも人も好きである」ということが大前提に必要な事だと思います。
私は正直、インハウスデザイナーは向いていないな、と感じました。
”グラフィックデザイナー”にも様々な働き方があります。
1つの企業・働き方が合わなかったからと言って、「デザイナー」を諦めないでください。