エンジニアの職務経歴書は、どのように書いたらよいのでしょうか。採用担当者は、職務経歴書のどこのポイントを見ているのか、アピールするポイントについても紹介していきます。
職務経歴書とは
職務経歴書は、業務経験とスキルを確認する大切な書類です。応募者がこれまでどのような仕事に携わったことがあるのか、どのような経験や技能があったのかを確認できます。A4サイズの用紙1~2枚にまとめるのが一般的とされています。
職務経歴書は、手書きとPCどちらが良いのでしょうか?
職務経歴書は、手書きかPCで作る方法がありますが、PC(Word)で制作すると良いかと思います。理由は、誤字脱字をすぐに直せるからです。手書きの職務経歴書だと、修正がある時は、新しい紙を用意して書き直す必要があるので、手間がかかります。履歴書と比べると、文章量も増えるのでWordで制作すると楽です。また、レイアウト調整も楽に行えるので、読みやすい職務経歴書を制作できます。データを残せるので、今後も受けることを考えると、制作しておくことでゼロから作成する必要がありません。
職務経歴書の使い回しは危険?
パソコンで制作できるとデータが残るので、複数社に同じ内容の職務経歴書を送ってしまう危険があります。採用担当者は、「自社のことを理解して、職務経歴書を制作しているか」という点を見ます。つまり、書類選考の段階で使い回しをしていることがバレる可能性があります。企業ごとに職務経歴書の書き方をカスタマイズしましょう。
採用担当者が見ているエンジニアの職務経歴書はここ!
採用担当者は、エンジニアの職務履歴書の以下3点について注目します。
- 開発実績:要点をまとめる
- 経験業務:経験がある工程
- スキル:開発言語、データベース
開発実績では、実績を羅列はせず「要点」をまとめるようにしましょう。経験したプロジェクトが多くなるほど、読み手(採用担当者)が職務経歴書を読むのが大変になってしまいます。特にアピールしたい場所の見落としも可能性として考えられます。特にアピールしたいプロジェクトは、詳しく記載しましょう。
企業は、技術力を期待しているとは限りません。プロジェクトリーダーやマネージャーなどの上位職募集をしている時、技術力よりもプロジェクトを動かせた実績が重要になります。利益をあげることが期待できる場合が多くあり、技術力アピールは勿論、自分のもつスキルもアピールしましょう。
エンジニアが職務経歴書でアピールできるスキル
エンジニアが職務経歴書でアピールできるスキルについて紹介します。
OS | Windows、UNIX(Solaris)、Limux(Ubuntu)、○○○○○ |
言語 | JAVA、JAVAScript、VC++、VC#、Python、○○○ |
DB | Oracle、MySQL、○○○ |
その他 | AWS(EC2、RDS)、HP Software and Solutions、Eclipse、Visual Studio、○○○ |
職務経歴書でスキルをアピールしよう
職務経歴書でスキルをアピールするときは、具体的に正しく自分のレベルを伝えられないと意味がありません。テクニカルスキルは上記の表のものです。このような一覧を作っておくとわかりやすいので職務経歴書を作る時に一緒にあぶり出しておきましょう。
スキルをアピールするポイント
モノづくりに関わる業務を担当する技術職のため、どんなOSや言語が使えるのか、設計・開発・保守に関わる知識がどれだけあるかをアピールします。また、企業によってマッチするスキルが異なるかもしれないので、企業に合わせて特にアピールするスキルを考えながら記載しましょう。業務関連の資格やスキルがあれば、自分の強みに繋がります。
記入例:できること、中でも得意なものなどを記載しておきましょう。
OS | インストール、設定、コマンド操作が可能です。 |
言語 | Pythonは独学ですが、簡単なソースコードを書くことが可能です。 |
DB | JAVA+Oracle、JAVA+MySQL 環境でのアプリケーション開発が可能です。 |
システムエンジニアの職務経歴書の書き方
職務経歴書の書き方について紹介します。
- システムの開発環境・開発言語、プロジェクト規模
- プロジェクトの概要や担当業務の内容を簡潔
- 意識していること・工夫していることのアピール
- 強みだと言えるスキル、リーダー経験など
- 自己PRは、上流工程に携わった経験、業務効率化などのアピール
採用担当者が注目するポイントと一緒に、自分がアピールしたいポイントを忘れずに記載しましょう。
ポイント①:意識していること・工夫していることのアピール
顧客やエンドユーザーを意識してシステムを開発したこと、納期に間に合うように工夫したポイントなどを記載しましょう。効率的かを考えて開発業務に取り組んだことなどのアピールをします。仕事に対する考え方・向き合い方が伝わりやすくなるように工夫しましょう。
ポイント②:プロジェクトの概要や担当業務の内容を簡潔
プロジェクトの概要、担当フェーズ、業務内容、開発環境、開発言語、プロジェクト規模の明記をしましょう。採用担当者は、どの部分を担当してきたのか、どういったプログラミングができるのか、という点を見ています。そのため、実績や取り組み、担当業務をこなす上での工夫していたことを記載しましょう。
ポイント③:強みだと言えるスキル、リーダー経験など
プロジェクトの数が多くなった場合、使用したことのあるテクニカルスキルをまとめましょう。活かせる経験・知識・技術は、強みになるので、箇条書きにして経験値をアピールします。資格も全て記載しましょう。また、リーダーやサブリーダーとしてのマネジメント経験や後輩への教育についてもアピールポイントになるので、記載してください。
ポイント④:自己PRのポイント
クライアントとの要件定義など上流工程に携わった経験があると強みになります。システム改修を想定して作り返しやすいシステムの設計をしたことや、納期に間に合うように効率化した内容についても記載しましょう。
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職務経歴書のサンプル
サンプル内容について紹介します。
■職務要約
株式会社○○○○○に入社後、約x年間IT業界でシステム開発に従事し、要件定義にもとづいた設計やテスト、保守運用を担当。20xx年ごろから上流工程に携わり、クライアントへのヒアリング、要件定義なども担当しています。また、約xx名~xx名規模のプロジェクトのリーダー、サブリーダーとして、全体の進行管理やメンバーのマネジメントも経験。メンバーへの適切な指示や顧客との調整により、システムの品質を維持しながら期日通り納品できています。
■活かせる経験・知識・技術
- 顧客へのヒアリングから要件定義、開発までの経験
- PHP、Javaによるアプリケーションの開発
- 約xx名~xx名規模のプロジェクトリーダー、サブリーダーを経験
■職務経歴
20xx年xx月~現在 株式会社○○○○○ 事業内容:アプリケーション・ソフトウェアシステム開発資本金:x千万円(20xx年xx月)売上高:x億x千万円(20xx年xx月)従業員数:xxx人上場:未上場 |
正社員として勤務 |
20xx年xx月~現在 / 保険業界 営業支援システム開発 【プロジェクト概要】保険業界大手の営業業務の実績、予算、顧客などを一元管理する営業支援システムの開発をプロジェクト提案から実施。 【担当フェーズ】要件定義、基本設計、詳細設計、結合テスト、運用保守 【業務内容】・クライアントへのヒアリング、仕様書作成・営業支援システムの設計、開発、導入、テスト・運用、保守メンテナンス 【実績・取り組み】・導入後も顧客へのヒアリングを継続し、随時システムを改善。また、改修を想定し、ソースコードを書き換えやすいように設計。 |
【開発環境】 【言語】PHPJava 【OS】AIXWindows 【DB】SQL ServerOracle |
【規模】全xx名リーダー |
■テクニカルスキル
OSWindowsLinux | x年xカ月x年xカ月 | 環境設計・構築が可能環境設計・構築が可能 |
言語PHPJavaJavaScript | x年xカ月x年xカ月x年xカ月 | 最適なコード記述と、指示、改修が可能最適なコード記述と、指示、改修が可能最適なコード記述と、指示、改修が可能 |
DBSQL ServerOracle | x年xヶ月x年xヶ月 | 基本的な環境構築が可能基本的な環境構築が可能 |
■資格
普通自動車第一種運転免許 / 20xx年xx月取得
基本情報技術者試験 / 20xx年xx月合格
応用情報技術者試験 / 20xx年xx月合格
■自己PR
<常に改善を心掛けた設計力>
IT業界での営業のシステムの開発では、忙しい営業担当が社外からでも使いやすいような設計を心掛けてきました。あらかじめ変更や改修を見込んで開発に取り組み、随時修正がかけやすい設計やソースコードの記述を開発サイドへ依頼。サービス導入後も営業社員にヒアリングやアンケートを実施し、改善を繰り返すことで、結果として顧客に満足していただくことができました。
<円滑にプロジェクトを進行させるマネジメント力>
自社のプロジェクトメンバーだけでなく顧客先の関係者など、約xx名~xx名規模のプロジェクトを進めた経験があります。スケジュールの遅延や認識齟齬が発生しないように、メンバーと顧客先との間に立ち、仕様や価格についても細かく調整、管理することで、大規模なプロジェクトも当初のスケジュールどおりに進めることができ、期日に遅れず納品することができました。
(参考:職務経歴書テンプレートと書き⽅ガイド)
ITエンジニアの自己PRの例文を紹介!
ITエンジニアの自己PR文章の紹介します。
①開発の経験をアピールする場合
大学を卒業後、システム開発会社で経験を積んできました。要件定義から開発までの経験があり、プロジェクトマネジメントなども行いました。私の強みは、管理なども行いながら開発ができる点です。また、基幹システムの経験もあります。生産管理や顧客管理などの業務知識があります。こういった経験を御社で活かし、システム開発に貢献ができると考えています。
ポイント:関わった段階などを明記していること、具体的に行えるスキルについて言及することです。また、経験のある分野や知識を明記するとプロジェクトでどういった活躍ができるか想像がしやすくなります。
②転職回数が多い場合のアピールする文章
私は、転職回数が5回と多いですが、その理由は、キャリアアップのためです。最初に入社した企業では、3次請けで、その次に2次請け、そして元請けへとキャリアアップをしてきました。この経験の中で、企画段階から保守運用までの全行程を担当できるのが私の強みです。また、工数管理や外注管理などのマネジメントも経験しているので、できることが幅広くあります。企業をITの面からサポートし事業の発展に貢献したいと考えております。
ポイント:転職回数が多いと負い目に感じるかと思いますが、転職した背景と合わせてアピール材料として活用しましょう。キャリアアップをしてきたことのアピールをすること、経験を積んだ企業が多い分、強みをアピールすることが大切です。
まとめ:自己PRやスキル、強みをしっかりとアピールしましょう。
エンジニアの職務経歴書は、しっかりとスキルや強みをアピールすることで、自分がどのような人材なのか採用担当者の判断材料になります。
スキルや開発環境、言語などはしっかりと記載をしましょう。しかし、簡潔にまとめる力も必要です。