住宅ローン控除を確定申告で利用するには?申告方法や時期・必要書類・還付金など気になる疑問点を徹底解説!

住宅ローン控除を確定申告で利用するには?申告方法や時期・必要書類・還付金など気になる疑問点を徹底解説!
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当記事では、確定申告にある住宅ローン控除について解説します。

「住宅ローンを組んだけど所得控除の対象になる?」

「住宅ローン控除はどうやって利用するの?」

このような疑問をお持ちの方向けに、住宅ローンに対して感じやすいよくある疑問にお答えし、確定申告での利用方法もお伝えします。

住宅ローンを組んだ方はぜひご覧ください。

目次

確定申告にある住宅ローン控除ってなに?

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んだ年の年末時点での住宅ローン残高の1%分を確定申告で所得控除として利用できるものです。

住宅ローン残高が残っている間は、確定申告することで所得控除が続きます。

また、住宅ローン控除は、正式名称を住宅借入金特別控除というので、確定申告書類に記載する際は項目を間違えないようにしましょう。

とはいえ、住宅ローン控除は申請した方が全員適用されるわけではありません。

必ず以下の条件を満たす必要があります。

  1. 契約した住宅ローン返済期間が10年以上
  2. 控除を受ける対象者が引き渡し日から6ヶ月以内には新居に引越しする
  3. 控除を受ける対象年の合計所得金額が3,000万円以下
  4. 購入した住宅の床面積が50㎡以上および床半分以上が対象者の居住スペースである

まずは、ご自身が上記の条件にあてはまるかを確認し、住宅ローン控除を利用するか検討しましょう。

また、この住宅ローン控除は、初年度のみ自分で確定申告書類を作成して税務署に提出しなければなりません。

しかし、給与所得を受け取っている方は、2年目以降の確定申告は不要です。

お勤めの会社の年末調整の際に、住宅ローン控除に必要な書類を提出しましょう。

⇒国税庁「令和3年分 住宅借入金等特別控除チェック表

住宅ローン控除の確定申告でよくある疑問

ここでは、住宅ローン控除を利用しようとする方が思いつきやすい疑問の回答を解説します。

住宅ローン控除を確定申告で利用できる時期や場所、やり方などをざっくりご説明するので、これから住宅ローンを組む予定の方や住宅ローンを組んだ方はぜひ参考にしてください。

住宅ローン控除はいつできるの?いつまでできる?

住宅ローン控除は、住宅ローンを組んだ年の翌年に行なう確定申告から適用されます。

なぜなら確定申告とは、昨年度1月1日~12月31日までの所得および条件に応じて適用できる控除を税務署減らせるものだからです。

また、住宅ローン控除が適用される期間は、入居し始めた時期によって異なります。

住宅ローンを組んだ住宅に入居した時期 住宅ローン控除の適用期間
2011~2019年9月までに入居 10年
消費税8%で住宅を購入して2019年10月~2022年までに入居 10年
消費税10%で住宅を購入して2019年10月~2022年までに入居 13年

2019年に消費税が増税されたことで住宅ローンの購入代金負担額が大きくなりました。

そのため、2019年10月以降に10%の消費税で住宅ローンを組んだ方は、13年間も住宅ローン控除が適用されることになったんです。

令和4年以降も10%の消費税が変わらなければ、今後購入する住宅はすべて住宅ローン控除は13年間ということになります。

2年目以降はどうやればいい?

住宅ローン控除は、初年度(1年目)はどのようなことがあっても自分で確定申告を行ない、適用させなければいけません。

住宅ローンを組んだ年の年末調整では、住宅ローン控除は適用できないので気を付けましょう。

しかし、2年目以降に住宅ローン控除を利用するには、確定申告ではなく年末調整でも適用されます。

そのため、年末調整が行われる前に必ず住宅ローンに関する証明書類を経理の方へ提出しておきましょう。

また、会社員ではなく個人事業主として働いている方は、1年目・2年目など関係なく確定申告で住宅ローン控除が受けられます。

住宅ローン控除はどこでできるの?

住宅ローン控除は、支払い初年度は確定申告の書類を税務署に提出することで適用されます。

住宅ローンを組んだままで確定申告しなければ、住宅ローン控除は適用されない点に気を付けましょう。

また、確定申告書類は税務署へ提出かもしくはe-Taxにて提出する方法があるので、利用しやすいほうを選んでください。

住宅ローン控除を受けるときに必要な書類は?

確定申告で住宅ローン控除を受けるときに、以下の書類が必要です。

  1. 給与所得を受け取っている方は確定申告書B、それ以外の個人事業主などの方は確定申告書A
  2. 収支内訳書および住宅借入金等特別控除額の計算証明書
  3. マイナンバーがわかるもの(住民票やマイナンバーカードなど)
  4. 住宅ローンを組んだ年の源泉徴収票や年間所得がわかるもの
  5. 土地や購入した家の登記事項証明書
  6. 不動産売買契約書や工事請負契約書
  7. 住宅取得資金にかかる借入金の年末残高証明書

どれかが不足すると住宅ローン控除は受けられません。

確定申告で住宅ローン控除を適用させるのを忘れたらどうする?

住宅ローンを組んだ年の翌年に確定申告するのを忘れた場合は、5年以内に申告すれば問題ありません。

住宅ローンを組んだ翌年から5年以内に確定申告すると、本来は所得に控除されるべき税金が還付されます。

しかし、5年が期限なので5年以上となってしまうと還付されないので気を付けましょう。

税金の還付について

ふるさと納税と住宅ローン控除を両方利用する時の注意点

住宅ローン控除は、基本的に年度末の支払残高×1%で計算した金額が適用されます。

しかし、寄付金控除と住宅ローン控除を一緒に利用する場合、所得控除金額が大きくなるので控除に適用されない金額が出てきます。

例えば、所得税が10万円・寄付金控除額が2万円・住宅ローン控除が25万円だった場合を考えてみます。

10万円-2万円-25万円₌-17万円となり、所得控除で利用できるはずの17万円が控除に適用されません。

つまり、寄付金控除対象額と住宅ローン控除対象額が大きくなるほど、適用される控除は少なくなってしまうということなんです。

とはいえ、余った控除金額は住民税から控除できるので、完全に利用できないわけではありません。

また、ふるさと納税の寄付金控除と住宅ローン控除を一緒に利用しなくてもいいように、ふるさと納税にはワンストップ特例制度が設けられています。

ワンストップ特例制度とは、寄付金控除を確定申告で申告しなくても自動的に所得税もしくは住民税から控除してくれる制度です。

そのため、住宅ローン控除をそのまま全て控除金額として利用し、なおかつ寄付金控除は住民税から控除されることになります。

とはいえ、住宅ローン控除を利用する初年度はワンストップ特例制度が利用できない点には注意しましょう。

住宅ローン控除を利用する確定申告のやり方・書き方

ここでは、住宅ローン控除を利用するときの確定申告のやり方を解説します。

項目によっては、確定申告書類で住宅ローン控除の金額を記入する欄や書き方もお伝えしているので、確定申告で住宅ローン控除を受けたい方はぜひご活用ください。

また、住宅ローン控除を確定申告で利用する際の必要書類もお伝えします。

① 住宅ローン控除を受けるための必要書類を用意する

確定申告で住宅ローン控除を受けるには、以下の書類が必要です。

受取りに時間がかかるものもあるので、確定申告の時期よりも早めにあらかじめ用意しておきましょう。

  1. 給与所得を受け取っている方は確定申告書B、それ以外の個人事業主などの方は確定申告書A
  2. 収支内訳書および住宅借入金等特別控除額の計算証明書
  3. マイナンバーがわかるもの(住民票やマイナンバーカードなど)
  4. 住宅ローンを組んだ年の源泉徴収票や年間所得がわかるもの
  5. 土地や購入した家の登記事項証明書
  6. 不動産売買契約書や工事請負契約書
  7. 住宅取得資金にかかる借入金の年末残高証明書

1番と2番については、国税庁の公式WEBサイトか税務署で無料で手に入ります。

上記の書類がないと確定申告書類が作成できないので、紛失したものなどがあれば早めに再発行などの手続きをとり、手元に用意してください。

② 確定申告書類を作成する

必要書類をすべて用意したら、確定申告書類を作成します。

確定申告書類に記載するのは、主に以下の項目です。

  1. 名前・住所・電話番号・マイナンバーなど申告者に関する個人情報
  2. 収入金額等・所得金額・所得から差し引かれる金額
  3. 税金の計算
  4. 還付される税金の受取口座

住宅ローン控除は正式に住宅借入金特別控除というので、その項目に控除されるべき金額を記入します。

控除されるべき金額は、住宅ローンを組んだ年の年末のローン残高×1%で計算したものです。

また、税金の計算という欄には、すでに年末調整で支払った所得税とは異なる金額を記載します。

以下のように計算して記入してください。

【源泉徴収票に記載されている年間給与所得-住宅ローン控除金額₌控除された年間所得金額】

【控除された年間所得金額×その金額に応じた所得税率】

所得税率は、一部を以下の表でお伝えしています。

以下の表で控除されるべき金額はすでに年末調整で差し引かれているので、会社員など給与所得を受け取っている方は計算する必要はないです。

所得税が課せられる所得 かせられる所得税率 控除金額
1,000円~1,949,000円 5% 0円
1,950,000円~3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円~6,949,000円 15% 427,500円

⇒国税庁「所得税の税率

また、年末調整を終えた後に住宅ローン控除を利用すると、初年度のみ住宅ローン控除金額が還付(お金が戻ってくる)されます。

本来は年間所得から控除されますが、初年度は住宅ローン控除を年末調整で利用できないため、控除されるべき金額がそのまま指定口座に振り込まれます。

還付金については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

確定申告で払いすぎたお金が戻ってくる!還付の条件・やり方・時期などを解説

③ 作成した書類を期日までにネットもしくは税務署に提出する

確定申告書類が完成したら、住宅ローンに関する必要書類を添付して税務署に提出します。

毎年2月16日~3月15日までが確定申告の期間とされており、その期間内に所得税の申告および申告した所得税を納税する義務があります。

この期間を過ぎても確定申告しなかったり、納税しないと滞納税が発生するので気を付けましょう。

滞納税については、以下の記事で詳しく解説しています。

確定申告の滞納税とは?計算方法・納付方法・免除などの特例をご紹介

⓸ 申告書作成に利用した書類は5年間保管する

確定申告は、申告書類を提出し納税したら終わりではありません。

申告後の5年間は、確定申告で利用した書類や控えを保存する義務があります。

なぜなら、なんらかの理由で税務調査が入ったときに税務職員が情報をチェックする際に利用するからです。

必ず税務調査が行われるというわけではありませんが、必ず保管しておきましょう。

ちょっぴり複雑な住宅ローン控除を受けるなら確定申告ソフトを使ってみて!

ここまで住宅ローンについて解説して来ましたが、住宅ローン控除を簡単に受けたいなら、確定申告ソフトを使うことをお勧めします。

住宅ローンを組んだ年は確定申告で控除を受けよう!

当記事では、住宅ローンを組んだ方・これから組む方向けに住宅ローン控除の確定申告について解説しました。

住宅ローンを組んだ年の確定申告には、年度末の住宅ローン残高1%が所得控除として利用できるとのことでしたね。

人生の中で特に大きな買い物ともいえる住宅購入でローンを組んだ際には、ぜひ住宅ローン控除を利用してお得に住宅を手に入れましょう。

住宅ローン控除の期間は10年もしくは13年と短いですが、かなり多額の出費が抑えられるので利用しない手はありません。

また、住宅ローン控除を組んだ初年度は必ず確定申告で適用申請を行なうのを忘れないようにしたいですね。

とはいえ、何かと難しいと感じてしまいがちな確定申告は、専用の申告ソフトの利用がおすすめです。

簡単に確定申告を済ませて、素敵なマイホームライフを充実させてください。

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