Webデザインのレイアウトには「正解」がありません。
ですが、レイアウトの基本や美しいWebデザインのレイアウトを作るコツなどはあります。誰が見ても「かっこいい」「綺麗」「分かりやすい」というデザインにするためにも本などから学びましょう。
今回は、おすすめのWebデザインのレイアウトが学べる本を紹介します。
Webデザインのレイアウトとは
Webデザインのレイアウトを学ぶために覚えておくと大切な基礎知識を紹介します。
基礎知識
- デザインの4原則
- 人間の視線の動き
それぞれについて解説します。
基礎知識①:デザインの4原則
レイアウトには、基本の4原則があります。
近接の原則
関連する項目をグループ化することを「近接」と言います。
例えば、【名刺を作成】する場合には、「連絡先」と「空白」に区分されます。連絡先:住所、電話番号、メールアドレス、氏名 などがまとめられます。情報がまとめられていることで、視線がそこに止まりやすくなります。
表示する情報を組織化(グループ化)して、個別の要素を作らないようにすることがポイントです。結果、見やすい表現(レイアウト)になります。
整列の原則
要素がバラバラに並んでいたり、どこから何を見て情報を得ればいいのか悩むと使い勝手の悪いWebサイトになります。そのため、画面上に「近接」を用いて要素ごとにグループ化することがポイントです。
具体的には、「中央揃え」「左揃え」「右揃え」「均等揃え」などの配置があり、同じページ内では、2種類以上の文字揃えを用いることはやめましょう。目線が混乱してしまいます。
反復の法則
反復は、ルールや一貫性と同じような意味です。例えば、見出しの見た目を揃えたり、説明文の文字サイズや色合いを揃えたりするなど、「共通したもの」という印象を与えることが大切です。先ほどの「近接」と同様に、同じような要素のものを同じ文字サイズ・フォント・色・装飾に揃えることで一貫性が生まれます。
コントラストの法則
コントラストは、特定の要素に強さ・重みをつけ「際立たせる」「目立たせない」などのメリハリをつけられます。結果、読者の目にそれぞれを引き寄せられるのでおすすめです。見出しのフォントを変えるだけでもコントラスト(強弱)が生み出されるので目を引くデザインになります。
基礎知識②:人間の視線の動き
人間は、文章を読む時に視線の動きが大きく3種類のパターンがあります。視線の動くパターンを把握することで、より見やすいレイアウトを作れます。
視線の動くパターン
- Z型(横書き)
- N型(縦書き)
- F型(Webページ、スマートフォンなど)
それぞれについて解説します。
Z型
横書きで多くの要素が配置されていると自然と左上から右上、そして真ん中を斜め読みして、左上から右下へ視線を動かします。その動きがZの文字に似た導線を描くことから、「Z型」と呼ばれるようになりました。意識してみると、Webサイトに限らず、横書きの文章を見る時に上記のような読み方をしているのではないでしょうか。
N型
N型は、縦書きの時の視線の動き方です。横書きの時は、Z型のような動き方になりますが、縦書きの場合は、右上から右下、真ん中を斜め読みして、左上から左下を読みます。この導線が「N」の文字に似ているため、N型と呼ばれます。
F型
パソコンやスマートフォンなどを閲覧する時には、F型の導線で視線が動きます。タイトルを見て、本文を読むという流れから、左上にあるタイトルを見て、本文へ視線が一段下がり、右に視線が動くので、「F」の文字に似た導線となります。
パーツの名称
Webサイトを作る時に、レイアウトに必要なパーツがあります。それぞれを理解して適切に組み合わせることで、Webサイト制作をスムーズに行えます。Webデザインのレイアウトに必要なパーツは以下の内容です。
パーツの名称
- ヘッダー
- ナビゲーション
- コンテンツ
- サイドバー
- フッター
それぞれについて解説します。
パーツ①:ヘッダー
Webページにおいてのヘッダーは、Webサイトの上部スペースに位置するものです。Webサイト内すべてのページで同じ内容が表示されています。アイキャッチ効果と共にWebページ全体の印象(イメージ)に繋がる大切なパーツになります。
主に、会社のロゴや商品のキャッチコピーなどを表示させることが多いパーツです。
パーツ②:ナビゲーション
ナビゲーションは、ユーザーが欲しい情報にジャンプするために必要なパーツです。Webサイトの主要コンテンツへのリンクを置いたメニューバー(目次)を意味します。開発用語として「ナビゲーション」と呼ばれていますが、「グローバルナビ」「ヘッダーナビゲーション」「ヘッダーメニュー」「メインメニュー」などと呼ばれることもあります。
パーツ③:コンテンツ
Webページのメインです。「記事」や「ブログの文章」などが置いてある部分がコンテンツとなります。訪問者は、この記事や文章などの内容を目当てで訪れているので、場合によっては、コンテンツを見やすいようにヘッダー・ナビゲーションを一時的に隠す場合もあります。
パーツ④:サイドバー
サイドバーは、コンテンツの両サイドもしくは、右・左のどちらかに配置されています。Webサイトの種類や目的によって配置や位置するもの、内容などが異なりますが、具体てkいには次のようなものを入れることが一般的です。
サイドバーの内容
- 最新記事や人気記事
- 関連記事へのリンク
- カテゴリー一覧
- 店舗や企業の基本情報
- SNSのボタン など
サイドバーがあると、簡単に拡散できたり他の記事を確認できたりするのでユーザービリティが上がります。
パーツ⑤:フッター
フッターは、Webページの一番下にあるコピーライトを記載する箇所です。または、ナビゲーションを設置することもあります。(フッターナビゲーションと呼ばれる。)フッターには次のような内容を入れることがおすすめです。
フッターに入れる内容
- コピーライト
- 会社概要
- サイトマップ
- プライバシーポリシー
また、関連記事や人気記事を含めることもあります。ここに企業情報や運営元の情報を載せておくことで、コンテンツの信頼性をアピールできます。
レイアウトの種類
Webページに用いられるレイアウトについて解説します。
カラム
カラムは、ホームページのレイアウトにおいて「情報を整理」し要素の「段組み」を行う作業です。雑誌などを見ると写真と文章が見やすい位置に配置され、ホームページでも最適な位置に情報を配置することが大切です。
カラムの種類
- シングルカラムレイアウト
- マルチカラムレイアウト
それぞれについて簡単に解説します。
シングルカラムレイアウト
縦長で1列に段組みされたレイアウトです。スマートフォンからの閲覧者が増えたことから、余計な情報を表示しない縦長のシングルカラムレイアウトを採用しているデザインが増えてきました。「ランディングページ」などの集客したユーザーに商品などを説明する広告ページなどはシングルカラムレイアウトをよく採用されています。
コンテンツを読むのに集中させたい時におすすめのレイアウトです。
マルチカラムレイアウト
マルチカラムレイアウトは、コンテンツの脇にサイドバーを設置し2~3列に分けたレイアウトです。主に2カラムレイアウトでは、右か左にサイドバーを設置し、3カラムレイアウトではコンテンツの左右にサイドバーを設置したレイアウトです。
マルチカラムレイアウトでは、スマートフォンでの表現が難しくなります。
レスポンシブウェブデザインでのレイアウト切り替え
マルチカラムレイアウトは、スマートフォンでの表示が難しくなるため、レスポンシブウェブデザインで実装をすることがポイントとなります。PCではマルチカラム表示、スマートフォンからはシングルカラム表示という風に分岐させることがあります。
レイアウト自体も複数の画面サイズに対してカラム数を変更する実装なども行えるようになります。
おすすめのWebデザインレイアウトの書籍
おすすめのWebデザインレイアウトを学べる本を紹介します。
いちばんよくわかるWebデザインの基本きちんと入門[第2版] レイアウト/配色/写真/タイポグラフィ/最新テクニック
絶対に外せないレイアウトの原則やレスポンシブWebデザインを学習できます。配色の基本と実例デザインの配色なども載っています。これからWebデザインを学びたい初心者の人やWebサイト制作に自信がもてない方におすすめです。
動くWebデザイン アイディア帳 実践編
サイトを印象付ける基本の動きや世界観を作る動きを集めた現場で使える実践集です。実際にWebサイトの印象を決定づけられる動きについて解説しています。専用サイトからコード、コピー&ペーストして利用することもできるので、実践的に学べます。
っぽくなるデザイン 誰でもできるかっこいいレイアウト集
日常の中にある「っぽさ」に目を凝らしてデザインに活かす方法が特集されています。ファッション誌っぽく、お店っぽくなど、「っぽさ」に注目して分析しながら、好みの「っぽくなる」デザインを試せます。
Every Layout-モジュラーなレスポンシブデザインを実現するCSS設計論
閲覧環境が多様となっている中でも対応できるビジュアルデザインの実現ができます。複雑な要件を強いられるCSSの管理が大変ですが、包括的なCSS設計の考え方について解説しています。CSSの強みを活用したレイアウトシステムを構築できるようになります。
Webデザインの新しい教科書 改訂3版 基礎から覚える、深く理解できる。
Web制作入門書の最新作です。WebデザインやWebサイト制作の「正しい基礎」を学べます。WWWやインターネットの仕組みを始まりに、サイト制作のワークフロー、HTML・CSSの技術解説、Webサイトを公開・運用するまでの基礎知識を、系統立てて解説しています。Webに関わる全ての人は必見の本です。
まとめ:Webデザインのレイアウトを本で学習してデザイン現場で活かそう!
Webデザインのレイアウトは、ホームページのデザインで重要な役割があります。ページの読了率・回遊率などもレイアウトに左右されます。
ユーザーにとって利用しやすくデザイン性あるWebサイトなどを作り出すために本で勉強しましょう。